地方に行った際、山や畑などに隣接しているお墓を見たことはありませんか?
先祖代々のお墓がそのような場所にある方も、少なからずいると思います。
そのお墓はもしかしたら『みなし墓地』かもしれません。
みなし墓地とは墓地や埋葬などが定められた『墓地、埋葬等に関する法律』が施行される前に、墓地として設定されたお墓のことです。
地方の実家に帰って後継ぎになった際、みなし墓地を相続することも考えられます。
しかし、みなし墓地はあまり知られていないため、税金や相続について知らなければ戸惑ってしまうかもしれません。
この記事では、みなし墓地の固定資産税について解説します。
みなし墓地の相続や墓じまいなど、よくある質問について回答するので、ぜひ参考にしてください。
みなし墓地に固定資産税はかかる?
みなし墓地に固定資産税はかかりません。
固定資産税とは土地や家屋、償却資産を所有している人物にかかる税金のことです。
所有する資産価値をもとに税額が決められます。
みなし墓地はその土地の所有権を有しているので、固定資産税の対象になるかと思われがちです。
しかし、みなし墓地はあくまでもお墓として利用されているため、土地としてみなされません。
一般的な墓地は固定資産税がかかる?
みなし墓地と同じく、一般的なお墓にも固定資産税はかかりません。
お墓を建てる際は霊園や寺院墓地などの永代使用権を購入します。
墓地の土地を購入するわけではありません。
墓地の土地を利用するための使用料を支払っただけなので、固定資産にはならないのです。
みなし墓地の相続はできる?
みなし墓地の相続は可能です。
みなし墓地の所有者が亡くなった場合、祭祀財産としての名義変更のみで相続されるのが一般的です。
みなし墓地は個人の所有物として考えられるので、所有者が亡くなればそのまま廃止されると考えられます。
しかし、これまで利用していたお墓をそのまま廃止するのは無理があります。
そこで、名義変更をすれば引き続きお墓として利用できるとしているのです。
みなし墓地を相続する際の注意点
みなし墓地が墓地台帳に登録されていれば問題ありません。
しかし、法律上の手続きをふんでいなければ『無許可墓地』の可能性があります。
無許可墓地とは現行の法律で定められた条件に適しておらず、みなし墓地の許可もされていない墓地のことです。
無許可墓地は法律に反しているお墓なので、相続の手続きができません。
無許可墓地には罰則が定められており、半年以下の懲役刑もしくは5,000円以下の罰金に処される可能性があります。
みなし墓地の許可の取り方
もし墓地台帳に登録されていれば、みなし墓地として認めてもらう許可が必要です。
許可の申請は地方自治体に『みなし許可届出書』を提出します。
ただし、みなし墓地として認められるのは『墓地、埋葬等に関する法律』が施行される前から墓地だったことを証明できた場合です。
菩提寺の檀家名簿があれば客観的な証拠として有効です。
みなし墓地の墓じまいはできる?
みなし墓地の墓じまいはできます。
お墓の管理が難しくなった方が墓じまいを行えば負担が減るでしょう。
墓じまいをしたみなし墓地は、墓地ではなく土地として判断されます。
固定資産としてみなされるので、固定資産税の対象になることは覚えておいてください。
また、みなし墓地は『墓地、埋葬等に関する法律』が施行される前からあるお墓だと説明しました。
『墓地、埋葬等に関する法律』が施行されたのは昭和23年だったので、これまでに多くの方が眠っていることでしょう。
そのため、墓じまいに反対される可能性もあります。
墓じまいを行う際は、必ず親族に相談して納得してもらってからにしましょう。
墓じまいの手順
墓じまいの手順を説明していきます。
墓じまいは以下の手順で行われます。
1.親族と相談し同意を得る
2.墓地管理者に墓じまいをする旨を伝える
3.遺骨をどこにおさめるかを決める
4.改葬手続きを行う
5.閉眼供養と墓石の撤去を行う
6.取り出した遺骨を新しい場所におさめる
1.親族と相談し同意を得る
墓じまいを独断で行うと、トラブルになる可能性があります。
必ず親族と相談して納得してもらいましょう。
2.墓地管理者に墓じまいをする旨を伝える
みなし墓地の土地所有者に墓じまいをする話をしましょう。
みなし墓地の所有者が自分であれば不要です。
3.遺骨をどこにおさめるかを決める
墓じまい後は遺骨を別の場所におさめる必要があります。
墓じまい後の遺骨は下記の選択肢があります。
・新しいお墓にうつす
・永代供養する
・散骨する
・手元供養する
4.改葬手続きを行う
遺骨をほかのお墓に移動させることを『改葬』(かいそう)といいます。
改葬手続きを行うにあたって、下記の書類を用意してください。
・改葬許可申請書:お墓がある市町村に提出する
・埋葬証明書:お墓の管理者が発行する
・受入許可証:新しい遺骨の受け入れ先が発行する
この3つの書類をお墓がある市町村に提出すると、『改葬許可証』が発行されます。
散骨や手元供養など、新しいお墓におさめる方法でなければこの手続きは不要です。
5.閉眼供養と墓石の撤去を行う
墓じまいを行うには、墓石から魂抜きを行う必要があります。
魂抜きをするためには閉眼供養を行います。
閉眼供養後は、遺骨の取り出しです。
遺骨を取り出せば更地にできます。
6.取り出した遺骨を新しい場所におさめる
取り出した遺骨を新しい納骨先におさめるときは『改葬許可証』が必要です。
忘れずに持参してください。
まとめ
みなし墓地はほかのお墓と同じように、固定資産税はかかりません。
もしみなし墓地の相続を行う際は、名義変更を行うだけでよいです。
ただし、みなし墓地が墓地台帳に記載されていなければ、無許可墓地の可能性があります。
無許可墓地では相続の手続きができず、罰則も定められています。
無許可墓地をみなし墓地として認めてもらうには、許可が必要です。
地方自治体に『みなし許可届出書』を提出します。
みなし墓地は墓じまいもできます。
事前に関係する親族に話をしておき、トラブルのないように進めてください。
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