親しい方の訃報は、前触れもなく届くことがほとんどです
「弔問に行くべきなのか」「いつ伺えばよいのか」「どんな服装で、何と言えば失礼にならないのか」——考えれば考えるほど不安になり、足が止まってしまう方も少なくありません。
とくに、通夜や葬儀・告別式に参列できなかった場合、自宅に弔問した方がよいのか、かえって遺族の負担にならないかと迷うものです。突然の出来事に戸惑うのは自然なことですので、まずは基本的なマナーを知るところから始めていきましょう。
この記事では、「弔問とは何か」という基本的な意味から、弔問にうかがうタイミング、服装マナー、自宅に弔問するときの流れや注意点まで、終活・供養の相談を受けてきた専門家の視点でやさしく整理します。
全体は「弔問とは」「タイミング」「服装」「自宅に弔問するときのマナー」「弔問の流れ」「弔問を控えるべきケース」「よくある質問」「まとめ・相談先」の順に解説します。読み終えるころには、具体的な行動がイメージでき、不安をひとつずつ減らしていけるはずです。
目次
弔問とは?基本の意味と「参列」との違い
弔問とは、訃報を受けて遺族のもとを訪ね、お悔やみの言葉を伝えることを指します。多くの場合は通夜や葬儀・告別式に参列することも弔問に含まれますが、事情により式に出られなかった場合は、後日自宅へうかがう「自宅弔問」という形をとることもあります。
まずは「弔問とは何か」を押さえたうえで、参列との違いや、家族葬が増えている今の考え方を確認しておきましょう。
弔問とは遺族にお悔やみを伝える行為
「弔問(ちょうもん)」とは、亡くなられた方のご遺族を訪ねて、お悔やみの言葉を述べることです。
一般的には、通夜や葬儀・告別式に参列し、焼香や合掌をして弔意を表すことも弔問に含まれます。
通夜・葬儀にどうしても参列できない場合や、訃報を後から知った場合には、遺族の自宅に弔問して線香をあげる、という形をとることもあります。
なお、通夜や葬儀にすでに参列している場合は、改めて自宅に弔問する必要はありません。
通夜・葬儀に「参列」する弔問と、自宅弔問の違い
通夜・葬儀に参列して弔問する場合は、喪主や遺族が用意した会場に出向き、他の参列者とともに故人を見送ります。受付で香典を渡し、読経や焼香の流れに沿って静かに過ごすのが基本です。
一方、自宅弔問は、葬儀後に遺族のご自宅・実家などを訪ね、仏壇や遺影の前で線香をあげ、お悔やみの言葉をお伝えする形になります。弔問の可否や日時は、遺族のご都合を最優先にして決めることが大切です。
家族葬が増えている今の弔問の考え方
近年は、親族やごく近しい方だけで見送る「家族葬」が増えています。
家族葬の場合、遺族は「限られた人数で静かにお別れしたい」と考えていることも多く、案内状に記載がない方が突然参列したり、自宅へ弔問したりすると、かえって負担になってしまうこともあります。
家族葬の案内を受けていない方や、訃報を人づてに聞いた方は、まず弔問してもよいかどうかを確認することが何より大切です。後述する「弔問を控えるべきケース」も参考に、無理に訪問するのではなく、手紙や香典・供物の郵送で弔意を伝えるという選択肢も検討しましょう。
弔問にうかがうタイミング
弔問のタイミングは、故人との関係性や訃報を知った時期によって変わります。一般的には、通夜や葬儀・告別式に参列することが第一の選択肢であり、それが難しい場合に自宅弔問を検討します。
通夜の前の弔問は避けた方が無難で、葬儀後に自宅へうかがう場合は、葬儀から数日〜四十九日までを目安に、必ず遺族の了承を得てから訪問するのが基本です。
通夜・葬儀前の弔問は基本的に控える
訃報を受けると、「すぐにでも駆けつけたい」と思うかもしれません。
しかし、通夜の前は葬儀社との打ち合わせや、親族への連絡、喪主の決定などで、遺族は非常に慌ただしい時期です。一般的には、通夜前の弔問は避けた方がよいとされています。
遺族から「どうしても手伝ってほしい」と直接連絡を受けているなど、ごく親しい関係でない限りは、通夜・葬儀・告別式への参列を優先し、遺族の負担を増やさないことが大切です。
通夜・葬儀(お通夜・告別式)に参列する場合
訃報を受けて日程が分かっている場合は、可能であれば通夜か葬儀・告別式のどちらかには参列するのが基本です。
この場合、式への参列自体が弔問にあたるため、後日改めて自宅に弔問しなければならないわけではありません。
服装は喪服が基本となり、香典を持参して受付で渡します。詳しい服装や香典のマナーについては、後述の「弔問時の服装マナー」「香典の渡し方」もあわせて確認しましょう。
葬儀後に自宅へ弔問する時期の目安
何らかの事情で通夜・葬儀に参列できなかった場合や、訃報を葬儀後に知った場合には、後日、自宅に弔問して線香をあげることがあります。
この場合、弔問のタイミングは「葬儀後の3日以降〜四十九日まで」を目安に考えるとよいでしょう。四十九日は、仏教では故人が成仏するとされる大切な節目であり、それまでの間に落ち着いた時期を選ぶのが一般的です。
ただし、具体的な日程は必ず遺族に確認し、都合のよい日時・時間帯(午前か午後か、何時ごろか)を相談して決めましょう。
家族葬・訃報を人づてに聞いた場合の判断
家族葬と聞いた場合や、訃報を遺族ではなく人づてに聞いた場合は、弔問そのものを控えた方がよいケースもあります。
家族葬では、喪主や遺族が「身内だけで静かに見送りたい」と考えていることが多く、案内状が届いていない方が弔問に訪れると、かえって気を遣わせてしまうことがあります。
どうしても弔意を伝えたい場合は、まず共通の知人や遺族に「弔問しても差し支えないか」を確認し、それでも難しそうなときは、手紙や香典・供物を送るなど、別の方法でお気持ちをお伝えする方が無難です。
弔問時の服装マナー(葬儀前・通夜葬儀・葬儀後)
弔問の服装は、「いつ・どこへ・どのような立場でうかがうか」によって変わります。通夜や葬儀・告別式に参列する場合は喪服が基本ですが、葬儀前や葬儀後の自宅弔問では、地味な平服がマナーとされています。
喪服は「不幸を予期していた印象」や「悲しみを強く思い出させる」ことにつながるため、平服と喪服を使い分けることが大切です。
葬儀前に弔問するときの服装
通夜・葬儀前にどうしても弔問しなければならない場合は、「急いで駆けつけた」ことが伝わる、地味な平服が基本です。喪服を用意して訪問すると、「事前に不幸を予期していた」と受け取られるおそれがあるため避けましょう。
男性:黒や紺、グレーなどのビジネススーツやジャケットに、白や淡色のシャツを合わせる
女性:黒や紺など落ち着いた色合いのアンサンブルスーツやワンピース
化粧は控えめにし、光沢の強いアクセサリーや香水は避けます。結婚指輪のみであれば着用しても差し支えありません。子どもは学校の制服があればそれを着用し、なければ落ち着いた色のジャケットやワンピース・スカートを選びます。
通夜・葬儀に参列するときの服装(喪服)
通夜や葬儀・告別式に参列する場合は、喪服を着用します。
男性は黒のスーツに白シャツと黒ネクタイ、黒い革靴が基本です。
女性は黒いアンサンブルやワンピーススーツに黒ストッキング、黒いパンプスを合わせ、アクセサリーは控えめにします(真珠の一連ネックレス程度)。
喪服の種類や細かいマナーは、別記事「家族葬を身内だけでおこなうときの服装」でも詳しく解説されていますので、あわせて確認しておくと安心です。
葬儀後に自宅へ弔問するときの服装
葬儀後の弔問では、喪服ではなく地味な平服を着用するのがマナーです。喪服で伺うと、遺族の悲しみを強く呼び起こしてしまう可能性があるため避けましょう。
男性:ダークカラーのスーツに白シャツ。ネクタイも黒や濃紺など控えめな色合い
女性:黒や紺、グレーなどのワンピースやアンサンブル。露出は少なめに
柄物やカジュアルすぎる服装、ジーンズ、スニーカー、サンダル、露出の多い服は避けます。アクセサリーはできるだけ控え、メイクも落ち着いたトーンにとどめましょう。
季節や子どもの服装のポイント
夏場でも、自宅弔問では肌の露出を抑えた服装が基本です。半袖を着用する場合も、派手な色やデザインは避け、七分袖や長袖を選ぶと安心です。
子どもは制服があれば制服を、なければ落ち着いた色合いのポロシャツやカーディガンに長ズボン・スカートなどを合わせます。小さなお子さんが一緒の場合は、長居をせず短時間でおいとまするよう、あらかじめ遺族に伝えておくとよいでしょう。
自宅に弔問するときのマナー(言葉・時間・配慮のポイント)
遺族に何の連絡もなく突然自宅を訪ねるのは、弔問マナーとしてはNGです。
まずは電話などで訃報へのお悔やみを伝えたうえで、「後日、弔問にうかがってもよいでしょうか」「ご都合のよい日時はいつごろでしょうか」と確認し、弔問の可否と具体的な日時を決めます。
時間帯は、食事の準備や片付けを避け、午前10時〜午後4時ごろまでの間が目安です。仕事や通院などの予定もあるため、「長居はいたしませんので、30分ほどお時間をいただけますか」など、滞在時間の目安を伝えておくと親切です。
玄関先での挨拶と「自分から上がらない」マナー
約束の日時に訪問したら、玄関先で喪主またはご家族に挨拶をします。
「本日はお忙しいところ、弔問にうかがわせていただきありがとうございます」
「このたびは、まことにご愁傷さまでございます」
といったお悔やみの言葉を静かに伝えましょう。
このとき、自分から「中に上がってよろしいでしょうか」と言うのは控えます。仏間やリビングに案内された場合のみ上がらせていただき、案内がなければ玄関先でお悔やみを述べ、香典やお供え物をお渡しして、早めに辞去するのがマナーです。
忌み言葉を避けたお悔やみの言葉の伝え方
弔問の場では、ふだん何気なく使う言葉が「忌み言葉」にあたることがあります。忌み言葉とは、不幸や死、繰り返しを連想させる言葉のことで、遺族の心情を考えると避けた方がよいとされています。
代表的な忌み言葉の例:
不幸を連想させる言葉:再び、追って、繰り返し
死を直接イメージさせる言葉:死ぬ、生きているころ
重ね言葉:くれぐれも、度々、重ね重ね、しばしば
「このたびは、突然のことで言葉もございません」「ご生前のご厚情に心より感謝申し上げます」など、重ね言葉や直接的な表現を避けつつ、簡潔に弔意を伝えるとよいでしょう。
弔問で控えたい励ましの言葉
つい「頑張ってください」「元気を出してください」と励ましたくなりますが、深い悲しみの中にいる遺族にとっては、かえって負担に感じられることもあります。
弔問の席では、励ましよりも「いまの悲しみにそっと寄り添う言葉」が大切です。
「まだお気持ちの整理もつかないことと存じます」
「どうかご無理をなさいませんように」
など、気持ちを押しつけない言い回しを心がけましょう。
滞在時間は短めに、長居をしない
自宅弔問では、長居をせずに30分程度で切り上げるのが基本です。遺族は弔問客の対応だけでなく、役所手続きや法要の準備など、やるべきことが多くあります。
思い出話が弾んでも「そろそろ失礼いたします」と自分から切り上げ、帰り際に改めてお悔やみの言葉をお伝えしましょう。
自宅弔問の具体的な流れ(当日の手順)
ここでは、実際に自宅へ弔問にうかがう当日の流れを、6つのステップに分けてご紹介します。「玄関先でどうすればよいか」「仏壇の前では何から行えばよいか」「香典の渡し方はどうするか」といった不安を、順番に解消していきましょう。
弔問前の準備(持ち物・香典・時間帯の確認)
あらかじめ決めた日時に合わせて、以下の持ち物を用意します。
香典(袱紗に包んで持参)
数珠(宗派を問わず使える略式数珠でも可)
必要に応じてお供え物(菓子折りや果物など、日持ちするものが無難)
訪問前には改めて日時・時間帯を確認し、遅れそうな場合は必ず連絡を入れます。
ステップ1:弔問する日にちを決める
弔問の日程は、必ず遺族に連絡をして相談のうえ決めます。
「いきなり訪問」は避け、「通夜・葬儀後の落ち着いた時期に、短時間だけお線香をあげさせていただきたい」といった伝え方をすると配慮が伝わりやすくなります。
ステップ2:遺族に招かれてから家に上がる
約束の日時に自宅を訪問し、玄関先でインターホンを押します。
出迎えた方にお悔やみを述べ、家に上がるよう促されたら「お邪魔いたします」と一礼して上がります。促しがない場合は、玄関先での弔問となりますので、無理に中へ上がろうとはせず、その場で香典をお渡ししておいとまします。
ステップ3:仏壇・遺影の前で一礼する
仏間やリビングに案内されたら、まず仏壇・遺影の前へ進み、静かに一礼します。
座布団が敷かれている場合でも、すぐには座らず、遺族の方に「どうぞ」とすすめられてから座るようにしましょう。
ステップ4:線香をあげる(お線香の作法)
ろうそくに火がついていれば、その火を使って線香に火を移します。ろうそくの炎に線香を直接押しつけるのではなく、少し上にかざすようにして火をつけると丁寧です。
線香に火がついたら、手であおいで火を消し、息を吹きかけて消さないよう注意します。
その後、線香を香炉に立て(宗派によっては寝かせる場合もあります)、合掌して故人の冥福を祈ります。合掌の前後で、遺影と遺族の方にそれぞれ一礼します。
ステップ5:お悔やみの言葉を伝える
着席したあと、改めてお悔やみの言葉を伝えます。
「このたびは、まことにご愁傷さまでございます」
「突然のことで、どれほどお力落としのことかとお察し申し上げます」
「ご生前は大変お世話になり、感謝の気持ちでいっぱいです」
長く話しすぎず、2〜3文程度で簡潔にまとめることが大切です。遺族の方が思い出話をされる場合は、静かに耳を傾ける姿勢を心がけましょう。
ステップ6:香典の渡し方と帰り際の挨拶
お悔やみの言葉をお伝えしたら、タイミングを見て香典をお渡しします。
袱紗から香典袋を取り出し、表書きが相手側から読める向きになるように持ち替えて、両手で差し出します。
「心ばかりですが、お供えください」「ご霊前にお供えいただければと存じます」などと一言添えるとよいでしょう。
その後、「長居をしてはいけませんので、このあたりで失礼させていただきます」などと挨拶をして席を立ち、玄関先でもう一度お悔やみを述べてから辞去します。
弔問を控えるべき人・ケース
弔問は「行くこと」だけが正解とは限りません。遺族の負担を考えると、「あえて弔問を控える」ことがマナーとなるケースもあります。ここでは、弔問を控えた方がよいとされる代表的な場面を確認しておきましょう。
訃報を人づてに聞いた場合
訃報を遺族からではなく、人づてに聞いた場合は、弔問を控えた方が無難です。遺族は「直接知らせていない方には、あえて来てほしくない」と考えていることもあり、知らない人が自宅まで訪ねてくると負担が大きくなってしまいます。
どうしても弔意を伝えたい場合は、共通の知人を通じて香典や供物を託す、手紙を送るなど、少し距離をおいた方法も検討しましょう。
家族葬と聞いている場合
家族葬は、基本的に案内状を受け取った方のみが参列する葬儀形式です。案内がなかった方が葬儀会場に訪れたり、自宅へ弔問したりすると、遺族を戸惑わせてしまうことがあります。
家族葬と聞いた場合は、まず「参列や弔問をしてもよいか」を必ず確認し、許可があった場合のみ訪問するようにしましょう。
結婚式・出産など慶事を控えている場合
結婚式や出産など、大きな慶事を控えている方も、弔問を控えることがあります。
慶事と弔事が重なると、どうしても両方の準備で心身ともに忙しくなりますし、遺族も「ご自身の大切な行事を優先してほしい」と考えている場合が多いものです。
このような場合は、慶事が落ち着いてから、改めてお悔やみの手紙や供物を送るなど、時間をおいた形で弔意を伝えることも一つの配慮です。
体調不良・高齢・遠方で移動が難しい場合
体調がすぐれない、高齢で長距離移動が負担になる、遠方に住んでいてどうしても時間がとれない——そのような場合は、無理をして弔問に出向く必要はありません。
弔問に行けないからといって、故人を思う気持ちが不足しているわけではありません。香典や弔電、手紙など、できる範囲で弔意を伝えれば十分です。
弔問に関するよくある質問(FAQ)
弔問に関して多く寄せられる質問を、Q&A形式でまとめました。タイミングや服装、香典の扱い、家族葬のときの考え方など、細かな疑問の解決にお役立てください。
Q1. 通夜・葬儀に参列できなかった場合、弔問はいつ頃までに行けばよいですか?
A. 葬儀後すぐは遺族も手続きや片付けで慌ただしいため、少し日数をあけてから訪問するのが一般的です。目安としては、葬儀の3日後〜四十九日までの間に、遺族の都合のよい日時を相談して決めるとよいでしょう。
Q2. 家族葬と聞いた場合でも、弔問してもよいのでしょうか?
A. 家族葬の場合は、基本的に案内状を受け取った方のみが参列します。案内を受けていない方が自宅に弔問すると、遺族の負担になることもありますので、まずは共通の知人や遺族に「弔問してもよいか」を確認しましょう。難しい場合は、手紙や香典を郵送するなど、別の形で弔意を伝えるのがおすすめです。
Q3. 自宅に伺ったとき、玄関先だけで失礼しても大丈夫ですか?
A. もちろん問題ありません。むしろ、遺族側から「どうぞお上がりください」と促されない限りは、玄関先でお悔やみを述べ、香典やお供え物をお渡しして短時間で辞去する方が、負担が少ない場合もあります。
Q4. 弔問の際、香典は必ず持参すべきでしょうか?
A. 通夜・葬儀に参列して香典をお渡ししている場合は、改めて香典を持参する必要はありません。自宅弔問のみの場合は、香典を持参するのが一般的ですが、地域やご家庭の慣習によって「供物だけ」などの考え方もあります。迷ったときは、共通の知人や遺族に事前に確認すると安心です。
Q5. 忌み言葉を避けるには、どのような表現に言い換えればよいですか?
A. 「再び」「くれぐれも」といった重ね言葉や、「死ぬ」「生きているころ」など直接的な表現は避け、「突然のことでお言葉もございません」「ご生前のご厚情に心より感謝申し上げます」のように、柔らかい表現に言い換えると安心です。
Q6. 弔問のとき、どのくらいの時間滞在してよいのでしょうか?
A. 自宅弔問は、長居をせず30分前後で切り上げるのが目安です。お線香をあげてお悔やみを述べ、簡単な思い出話をする程度にとどめ、遺族の様子を見ながら早めにおいとまするよう心がけましょう。
Q7. 弔問に行けないときは、どう弔意を伝えればよいですか?
A. 体調や距離の問題で弔問が難しい場合は、弔電や手紙、香典・供物の郵送などで弔意を伝える方法があります。「本来であれば直接弔問すべきところですが」と一言添えると、気持ちがより伝わりやすくなります。
弔問マナーのまとめと、迷ったときの相談先
弔問とは、近しい方の訃報を受けて遺族のもとを訪ね、お悔やみの言葉を伝える行為です。通夜や葬儀・告別式への参列も弔問の一形態であり、やむを得ず式に参加できなかった場合に、自宅弔問という形をとることがあります。
弔問にうかがうタイミングは、葬儀後の3日以降〜四十九日までを目安に、必ず遺族の都合を最優先にして決めましょう。服装は通夜・葬儀では喪服、自宅弔問では喪服ではなく地味な平服が基本です。訪問時には事前連絡を欠かさず、自分から家に上がらない、忌み言葉を避けて簡潔にお悔やみを伝える、長居をしない——といったマナーを心がけることで、遺族の負担を軽減できます。
何より大切なのは、「形式どおりにできるかどうか」よりも、「遺族の気持ちに寄り添い、負担にならないか」を第一に考える姿勢です。迷いや不安を一人で抱え込む必要はありません。
福岡市近郊で弔問や供養、お墓のことについてお悩みの方は、油山平成御廟までどうぞお気軽にご相談ください。専門知識をもつスタッフが、状況に合わせて丁寧にアドバイスを行い、これからのご供養のあり方も含めて一緒に考えてまいります。
免責事項
本記事でご紹介した弔問マナーや服装、お悔やみの言葉の例は、あくまで一般的な目安です。宗教・宗派や地域の慣習、ご家庭ごとのお考えによって、適切な対応は異なる場合があります。
実際に弔問される際は、まずは遺族の意向やご家庭の方針を尊重し、迷ったときには葬儀社や寺院・霊園などの専門家にも相談したうえで、最終的な判断をなさってください。
