迎え火・送り火のやり方を解説|お盆で迷わない準備と代替案

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お盆の迎え火・送り火は、名前は知っていても「何をどこに置き、いつ、どう焚けばいいのか」「マンションや火気禁止の環境ではどうすれば…」と不安になりやすい作法です。
また地域や家庭、宗派によって日程や細かなやり方が異なることもあり、「これで合っているのかな?」と迷う方も少なくありません。

この記事では、迎え火・送り火の意味から、必要な準備物、具体的な手順、安全に行うための注意点、そして火が使えない場合の代替案までを、初めての方でも手順通りにできる粒度で整理します。

浄土真宗の場合の考え方も短くわかりやすくまとめ、やらない選択をしても気持ちの上で安心できるよう配慮しました。
読み終えた頃には、ご自宅の環境やご家庭の事情に合わせて「無理のない迎え方・送り方」を選べるはずです。

目次

お盆の迎え火・送り火とは(意味と役割)

迎え火は、ご先祖様の魂が迷わず自宅へ戻れるよう、玄関先で焚く「目印の火」です。
送り火は、お盆の終わりにご先祖様をあの世へお見送りするために焚きます。迎え火と送り火はセットで行うのが基本です。

お盆の迎え火は、お盆の風物詩として昔から行われてきた供養の作法です。
ご先祖様が帰ってくる道しるべとして、玄関先で火を焚きます。

一方、送り火はお盆の最終日に焚く火で、ご先祖様が無事にあの世へ帰れるようにお見送りします。
迎え火でお迎えし、送り火でお送りする――この一連の流れが「お盆 迎え火 送り火」の基本形です。

※迎え火・送り火の位置づけや細かな所作は、地域や家庭の慣習によって違いがある場合があります。「自分の家のやり方を大切にする」ことが、いちばん自然な供養につながります。

迎え火・送り火で用意するもの(共通の準備)

迎え火・送り火では、焙烙皿(素焼きの皿)、おがら(麻がら)、精霊馬、盆提灯の4つを用意します。
焙烙皿は耐熱皿で代用可。おがらがない場合は割り箸などで代用できます。

迎え火・送り火の前に、まずは道具を揃えておきましょう。
基本的に必要なのは次の4つです。

素焼きの焙烙皿(ほうろくざら)

おがらを乗せて焚くための耐熱の皿です。
手元にない場合は、耐熱性の平皿で代用しても構いません。

おがら(麻がら)

麻の茎の皮を剥いだもの。神聖な植物として扱われ、煙に清めの意味があると考えられています。
お盆の時期にホームセンターや花屋で手に入ります。
もし入手できなければ、割り箸など燃やしやすい木片での代用も一般的です(地域・家庭で考え方が違う場合あり)。

精霊馬(しょうりょううま)

ナスとキュウリで作るお盆飾り。
ナスは牛、キュウリは馬を表し、ご先祖様が行き来するときの乗り物という意味があります。
最近は布や藁で作られた市販品を使う家庭もあります(家庭差あり)。

盆提灯(ぼんちょうちん)

迎え火・送り火と同じく、ご先祖様の「目印」になる灯りです。
お盆期間中に点けておくのが基本ですが、熱くなる場合は安全を優先して消しても問題ありません。
LEDタイプなど安全性の高いものも増えています。

迎え火 やり方|お盆初日の迎え方手順

迎え火はお盆初日(一般には13日、地域により12日の場合も)に、夕方17時頃から玄関先で焚きます。
焙烙皿におがらを乗せて点火し、手を合わせながら見守り、燃え尽きたら水で完全に消火します。

迎え火は、お盆の始まりにご先祖様を迎えるための大切な合図です。
新暦・旧暦いずれの盆でも、初日に行うのが基本とされています。

迎え火はいつ焚く?

  • 多くの地域では お盆初日の13日

  • 地域によっては 前日の12日に行う家庭もあります

時間帯は、まだ明るい17時頃から始めるのが目安です。
ただし厳密な決まりはなく、地域・家庭の習慣に合わせて構いません。

迎え火の具体的な手順

  1. 玄関先の安全な場所を確保する
    風で火の粉が飛ばない位置、周囲に燃えやすい物がない場所を選びます。
    集合住宅では管理規約や近隣への配慮も確認しましょう。

  2. 焙烙皿を置き、おがらを乗せる
    皿の中央におがらを少量まとめて置くと燃えやすくなります。

  3. おがらに点火する
    火がついたら、慌てず落ち着いて見守ります。

  4. 手を合わせてお迎えする
    迎え火は「目印」であると同時に、ご先祖様へ心を向ける時間です。
    無理に長く焚く必要はありません。

  5. 燃え尽きたら、必ず完全に消火する
    火が消えたのを確認したあと、水をかけて鎮火します。
    余熱が残っていないかまで確認して片付けましょう。

送り火 やり方|お盆最終日の見送り手順

送り火はお盆最終日(一般には16日、地域により15日の場合も)に迎え火と同じ場所で焚きます。
焙烙皿におがらを乗せ点火、手を合わせて見送り、火が消えたら水で確実に消火する流れです。

送り火は、帰ってきてくれたご先祖様を丁寧にお見送りする作法です。
迎え火と対で行うことで、お盆の区切りをつける意味があります。

送り火はいつ焚く?

  • 多くの地域では お盆最終日の16日

  • 地域によっては 一日早めて15日に行う場合もあります

時間帯は迎え火と同様、17時頃からが目安です。

送り火の具体的な手順

  1. 迎え火と同じ場所に焙烙皿を置く
    玄関先の安全な場所を再確認します。

  2. おがらを乗せて点火する
    少量ずつでも構いません。

  3. 手を合わせ、ご先祖様を見送る
    「ありがとうございました」「また来年もお待ちしています」など、心の中で言葉をかける方もいます(家庭差あり)。 

  4. 火が消えたら水で完全に消火する
    迎え火と同じく、消火は必ず丁寧に。
    風がある日は特に、火の粉や残り火に注意してください。

浄土真宗 迎え火 送り火はどう考える?

浄土真宗では、亡くなった方はすでに極楽浄土へ往生しているため、迎え火・送り火を焚かないのが基本です。
ただし「やらない=不孝」ではありません。ご家族の気持ちを大切にできる形で供養しましょう。

浄土真宗では、迎え火や送り火を焚く習慣はありません。
亡くなった方はすでに極楽浄土に往生し、お盆に「帰ってくる」という考え方をとらないためです。

ただ、周囲の家庭と違うことで不安になる方もいます。
けれど、浄土真宗の教えに沿って迎え火・送り火を行わないことは、決して不孝ではありません。

もし「気持ちとして迎えたい、手を合わせたい」と感じるなら、盆提灯を灯す、仏壇や写真の前で手を合わせるなど、無理のない形で心を向ければ十分な供養になります(宗派・家庭での考え方に配慮して選びましょう)。

迎え火・送り火ができない場合の代替案

火気禁止の集合住宅や環境で迎え火・送り火ができないときは、盆提灯を飾る、焙烙皿とおがらだけ用意して心で迎える、ろうそくで安全に代用する方法があります。無理に火を焚かず、安全と気持ちを両立させましょう。

現代では、マンションなど集合住宅の規約や、体調・近隣状況の都合で火が使えないことも増えています。
そんなときは、次のような代替案で問題ありません。

代替案できることメリット注意点
盆提灯を飾る目印の役割を補う火を使わず安全。マンションでも実践しやすい置き場所と転倒・熱対策を確認
用意だけして火を焚かない迎え・送りの気持ちを形に伝統に沿った準備を保てる。無理なくできる「火を焚かないとダメ?」と不安にならなくてOK
ろうそくで代用小さな灯りで迎える・送る火力が弱く比較的安全周囲の燃えやすい物、風・転倒に注意

それぞれ、「ご先祖様を迎え、送る心があれば大丈夫」という考え方が前提です。
生活環境に合わせて、安心してできる方法を選びましょう。

迎え火・送り火に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 迎え火・送り火は生前に準備しておいてもいい?

A.

問題ありません。焙烙皿・おがら・盆提灯などは事前に揃え、当日は慌てず迎え火・送り火を焚けるようにしておくと安心です。

Q2. おがらが手に入らない時はどうする?

A.

おがらがない場合、割り箸などで代用しても差し支えないとされています。
地域や家庭でこだわりがある場合は、無理のない範囲で準備しましょう。

Q3. 雨の日/風が強い日は迎え火・送り火をしていい?

A.

安全が最優先です。強風や豪雨で危険がある日は無理に焚かず、盆提灯やろうそくなど安全な代替案に切り替えて構いません。
「火を焚けない=供養できない」わけではありません。

Q4. 玄関がない集合住宅(マンション)の場合は?

A.

火気の扱いはマンション規約や近隣配慮が必要です。
規約上難しい場合は、盆提灯を飾る/用意だけして心で迎えるなどの方法で十分です。 

Q5. 迎え火・送り火の時間に遅れたら失礼?

A.

迎え火・送り火は目安の時間はありますが、厳密なルールがあるわけではありません。
ご家庭の事情に合わせ、可能な時間帯で心を込めて行えば大丈夫です(地域差あり)。

Q6. 浄土真宗でも気持ちとして迎えたい時は?

A.

浄土真宗では迎え火・送り火をしないのが基本ですが、やらないからといって不孝ではありません。
気持ちとして迎えたい場合は、盆提灯を灯す、仏壇に手を合わせるなど、教えに配慮した形で行うと安心です。

まとめ

迎え火はお盆の初日に、送り火はお盆の最終日に、玄関先で火を焚いてご先祖様の目印とする作法です。
焙烙皿におがらを乗せて点火し、手を合わせて見守り、燃え尽きたら水で確実に消火する――これが基本の流れになります。

一方で、集合住宅や火気禁止の環境、また宗派の考え方によって、迎え火・送り火が難しいこともあります。
その場合も、盆提灯やろうそくの代用、あるいは用意だけして心で迎える形で十分な供養になります。

大切なのは「無理のない形で、心を込めること」。
やり方に迷ったり、供養やお墓のことで不安があるときは、福岡の油山平成御廟のように、気軽に相談できる場所を頼ってみてください。

迎え火や送り火に関するご不明点があれば福岡の油山平成御廟へ

福岡市内からのアクセスが便利な油山平成御廟では、専門知識の豊富なスタッフがさまざまなお困りごとに対応させていただきます。

お墓のことはもちろん、迎え火や送り火に関するご相談や悩みごとなどがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

この記事を監修した人

株式会社江戸や 福岡支社 営業部部長
大塚勝俊

2003年に株式会社江戸やに入社。以来、20年以上にわたり、霊園管理やご供養に関する深い知識と経験を積み重ね、多くの顧客から高い信頼を得ています。

伝統と格式を重んじながらも、供養する人もされる人も安心できる多様なサービスを提供し、現代のニーズに対応した新しい供養の形を追求しています。