霊園や墓地に行くと、さまざまな墓石が使われていることに気がつく方も多いのではないでしょうか。
墓石は国産と外国産の石材をあわせると、約300種類もあるといわれています。
しかし、石材の種類が多すぎてどれにすればよいのかわからず、迷ってしまう方も少なくありません。
この記事では、墓石に使われる石材について解説します。
- 墓石に使われる石材はどのようなものがあるのか知りたい
- 人気のある墓石の種類は何があるのか知りたい
上記の悩みを抱えている方は、ぜひ参考にしてください。
墓石に使われる石材の種類
墓石に使われる石材は、国産と海外産があります。
約300種類もの石材が墓石に使われており、産地や採石量、品質などさまざまです。
墓石に使われる主な石材は、下記の5種類です。
- 花崗岩
- 安山岩
- 閃緑岩
- 斑レイ岩
- 凝灰岩
どのような特徴があるのかを見ていきましょう。
花崗岩
墓石に使われる代表的な石材です。
地表の深くに分布しており、世界中に分布しています。
日本では福島県や香川県、茨城県などが代表的な産地です。
含まれる鉱物の種類によって、色や硬度などが異なります。
花崗岩は緻密で固いため、風化に強いです。
日本のように四季があり、環境の変化が激しい気候にはもってこいの石材といえるでしょう。
安山岩
マグマが急速に冷え固まった火山岩です。
花崗岩に次いで墓石に使われます。
神奈川県産の『本小松石』や宮城県産の『伊達冠石』が有名です。
閃緑岩
閃緑岩は、マグマが地下深くでゆっくりと時間をかけて冷え固まった深成岩です。
硬く劣化に強いため、風化しづらく墓石に向いています。
磨くと光沢が出るので、高級感のある墓石に仕上げたい方におすすめです。
国内での採石量は非常に少ないため、高価な石材として知られています。
岡山県産の『矢掛青石』が有名です。
斑レイ岩
閃緑岩と同じく、深成岩の一種です。
閃緑岩よりも黒みが強く、『黒御影石』とも呼ばれます。
風化に強く、長持ちするのが特徴です。
石の種類にもよりますが、磨くと光沢が出やすく高級な印象を与えます。
福島県産の『浮金石』や『中山石』が有名です。
凝灰岩
堆積岩の一種で噴火の時に細かく砕けた石が、地表や水の中に積り重なって長い年月かかって固まってできた岩石のことです。
白色や暗緑色、赤色などのさまざまな色があります。
軽くて柔らかい特徴があり『大谷石』や『十和田石』などが知られています。
代表的な国産の石材
国産の石材は古くから墓石に使われてきました。
最高品質の庵治石や安価な真壁石など、さまざまな種類があります。
ここでは、代表的な国産の石材を5種類解説していきます。
- 庵治石
- 大島石
- 浮金石
- 本小松石
- 真壁石
庵治石
香川県産です。
グレー系の色目が特徴で、国内でも最高峰とされる石材といわれています。
吸水率が低く硬度が高いため、長年にわたって品質が維持されやすいです。
希少価値が高いため高額となりますが、最高級の墓石を選びたい方におすすめします。
販売価格は200万円~400万円ほどです。
大島石
愛媛県産です。
グレー系の色目が年月を経過すると、徐々に青みがかっていきます。
吸水率が低いため、湿度の高い日本の気候にあった石材といえるでしょう。
耐久性に優れ、経年劣化もしづらいです。
おもに西日本で人気があります。
販売価格は70万円~250万円程度です。
浮金石
福島県産です。
金色の斑点がちりばめられたような外観のため、高級感があり美しく人気があります。
採石量は少なく希少価値が高いので、高級墓石として知られています。
関東地方を中心に人気の高い石種です。
販売価格は問い合わせてみてください。
本小松石
神奈川県産です。
庵治石と同じく、最高級品のひとつとして人気があります。
耐久性があり欠けにくく丈夫です。
淡い緑色をしていますが、年月がたつにつれて色変わりしていきます。
80万円~250万円が販売価格の相場となっています。
真壁石
茨城県産です。
白とグレーが混ざり合ったような色をしています。
採石量が多く、手に入りやすいので比較的安価です。
販売価格の目安は50万円~120万円ほどです。
現在、墓石に使われる国産の石材の割合は2割程度といわれています。
外国産の石材と比べて高価なものもありますが、品質の高さは特筆すべき点です。
また、長年墓石として選ばれてきた実績があるため、国産の石材を使いたいと考える方は多くいます。
代表的な中国産の石材
国土の広い中国では、多くの石材が採石されています。
石材のバリエーションの多さと、安価な価格が人気の理由です。
代表的な中国産の石材を3種類紹介していきます。
- G623
- AG98
- G663
G623
福建省産です。
中国産の墓石として最も知られており、よく使われています。
経年劣化が少なくサビも出ないため、品質が安定している点が好評を得ています。
現在は安価で手に入りやすいですが、採石場が閉鎖される話が浮上しており、今後は価格が上がるかもしれません。
AG98
福建省産です。
日本の大島石に似ていることから人気を集めています。
白とグレーが混ざりあった色で、白い墓石を探している方におすすめです。
吸水率が高いため、年月がたつと色が変化する可能性があります。
G663
福建省産です。
ピンク色が特徴で、洋型の墓石によく使われています。
比較的手に入りやすく購入しやすい墓石のひとつでしたが、G663の採石場が閉鎖したといわれており、値段が上がっています。
代表的なインド産の石材
インド産の石材は、黒御影石の種類が豊富です。
品質の高さとつやのよさが好評を得ており、上質な黒御影石の産地として知られています。
代表的なインド産の石材を2種類見ていきましょう。
- クンナム
- アーバングレー
クンナム
デカン高原から採掘されています。
インド産の黒御影石といえばこちらです。
変色せず品質も変わりにくいといわれています。
最高品質の黒御影石をお求めの方におすすめです。
アーバングレー
ムドゥガル地方で採掘されています。
グレー系の色調は落ち着いた印象です。
吸水率も低く、水シミができる心配も少ないため、見栄えが悪くなりません。
磨くとガラスのような光沢が出るので、高級感がありつやも落ちにくいです。
その他の国の石材
中国やインドのほかには、スウェーデンや南アフリカなどが知られています。
下記の2種類の石材の特徴を解説していきます。
- スウェーデンマホガニー
- インパラブルー
スウェーデンマホガニー
スウェーデンのスモーランド地方で採石されています。
赤色の墓石は種類によって、色が主張しすぎてしまう石種もあります。
しかし、スウェーデンマホガニーは茶色がかっているので、柔らかな印象で使いやすいです。
インパラブルー
南アフリカ共和国のラステンバーグ市から採石されています。
青い結晶が宝石のように見えるため、とても奇麗です。
結晶が大きなものほど好まれますが、費用も高額になります。
吸水率は低く、硬い石質です。
墓石を選ぶ際は石材店に依頼する
石材店とは、墓石の販売や加工をおこなう専門店のことです。
さらに基礎工事や設置工事など、多岐に渡る業務を担っています。
また石材店によりますが、墓石の修理や地震対策施工、コーティングなどの依頼も可能です。
お墓を建てる際は石材店に相談するのが一般的であり、頼れる存在だといえるでしょう。
信頼できる石材店の特徴5選
墓石を購入する際は、信頼できる石材店選びが重要です。
信頼できる石材店には、下記の5つの特徴があります。
- 親身になって話を聞いてくれる
- 石材や墓石についての知識が豊富
- 購入後のアフターサービスが充実している
- 見積書や契約書を作成している
- 大幅な値引きをしない
親身になって話を聞いてくれる
墓石を購入する機会は、人生でそう多くはありません。
高額な買い物となるため、不安に感じる方も多いでしょう。
信頼できる石材店は不安な気持ちを感じ取り、親身に対応してくれます。
一方で、こちらの話を聞かずに墓石の購入を促してくる石材店には要注意です。
いくつかの質問をしてみて、どのような対応をするのかを確認してみるとよいでしょう。
石材や墓石についての知識が豊富
お墓を建てる方の中で、はじめから石材や墓石についての知識がある方はほとんどいません。
石材店の担当者に相談しながら決めていくケースがほとんどです。
そのため、石材や墓石についての知識が豊富であるかどうかは重要なポイントです。
石材や墓石の質問に対してはぐらかされたり、あいまいな返答をする石材店は不安が残ります。
材質や工事について、詳しく説明してくれる石材店を選ぶようにしましょう。
購入後のアフターサービスが充実している
墓石は購入して終わりではありません。
墓石の購入後は定期的なメンテナンスが必要となるため、アフターサービスの充実度もチェックしておきたいポイントの一つです。
購入後のアフターサービスの内容を確認しておき、今後もお付き合いができそうな石材店から墓石を購入することをおすすめします。
見積書や契約書を作成している
墓石を購入する際は、見積書や契約書の有無も重要なポイントとなります。
口頭で契約手続きを進めた結果、あとから高額請求をされた事例があります。
ほとんどの石材店では見積書や契約書を作成するため、心配しすぎる必要はありません。
もし見積書や契約書を作成しないようであれば、契約を見送った方が無難です。
大幅な値引きをしない
墓石を購入する際に、大幅な値引きをされるとうれしいですよね。
ただし、大幅な値引きをする石材店はどこで利益を得るのでしょうか。
もしかしたら、問題のある墓石の販売や手抜き工事をおこなう可能性があります。
大幅な値引きをしてくれる石材店には、値引きする金額の根拠を聞いてみるとよいでしょう。
関連記事はこちらです。
納骨時に石材店に支払う費用はいくらかかる?金額相場や支払方法について解説
まとめ
墓石に使われる石材は、約300種類あるといわれています。
おもに使われる石材は、下記の4種類です。
- 花崗岩
- 安山岩
- 閃緑岩
- 斑レイ岩
また、石材は国産のものと外国産のものが使われています。
国産の石材は庵治石や本小松石などが知られており、人気が高いです。
外国産の石材は、中国産やインド産のものが選ばれています。
国産の石材だからといって、すべての品質が高いわけではありません。
インド産のクンナムのように、高品質の石材も採石されています。
産地や値段にとらわれず、ご自身の理想に合った墓石を選ばれてはいかがでしょうか。
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福岡市内からのアクセスが便利な油山平成御廟では、専門知識の豊富なスタッフがさまざまなお困りごとに対応させていただきます。
当霊園で取り扱いのある石材の一例はこちらです。
- 黒御影:吸水率が低いインド黒と呼ばれる代表的な黒石です。密度が高い特徴があります。
- 赤御影:世界で最も赤い色をしたインド産の石材です。ニューインペリアルとも呼ばれ、さまざまなデザインに合います。
- 青御影:国産の青色御影石で高価です。関西地方を中心に好まれています。
- 新天光:落ち着いた白色で人気の高い石です。
- 天山:青みを帯びた経年劣化の少ない石です。佐賀県産です。
お墓のことはもちろん、墓石に関するご不明点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。