仏教の葬儀ではお経が読まれます。
お経には多くの種類があるのですが、宗派によって読まれるお経が異なることを知っている方は少ないでしょう。
この記事では、宗派別のお経や唱える意味について解説していきます。
宗派別のお経を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
お経とは
『お経』とは、お釈迦様の教えを弟子たちがまとめたものです。
お釈迦様はさまざまな説法をしたため、複数のお経が存在します。
お経の種類は膨大であり、正確な数は分かりません。
葬儀でお経を唱える意味
葬儀でお経を唱えるのは、故人を極楽浄土に導く目的があるからです。
故人が安らかに眠り、今後の幸せを願うためにお経を唱えるのです。
また、大切な人をなくし、深い悲しみに暮れている遺族の心を癒す目的もあります。
お経には功徳があるとされており、ただ聞いているだけでもよいのです。
葬儀で僧侶がお経を唱えているときは、耳を傾けてみましょう。
代表的な4つのお経
お経の種類は膨大だと説明しました。
その中でも、特に読まれる機会が多いお経を4つ紹介していきます。
- 般若心経
- 阿弥陀経
- 法華経
- 華厳経
般若心経
『般若心経』(はんにゃしんきょう)は、数多くのお経の中でも知名度が高い特徴があります。
般若心経の正式名称は『般若波羅蜜多心経』(はんにゃはらみったしんぎょう)です。
般若心経は玄奘(げんじょう・げんぞう)がインドの『大般若経』を持ち帰り、漢語に訳したものです。
本来は600巻ほどあるものを、300字程度にまとめています。
自ら考え、悟りの境地に至るまでの教えが説かれています。
般若心経が読まれる宗派と、読まれない宗派はこちらです。
読まれる宗派 | 読まれない宗派 |
---|---|
・天台宗 ・真言宗 ・曹洞宗 ・臨済宗 ・浄土宗など | ・日蓮宗 ・浄土真宗 |
阿弥陀経
多くのお経は、弟子の問いかけに対してお釈迦様が答えるものが多いです。
しかし『阿弥陀経』(あみだきょう)は、お釈迦様自らが説かれている特徴があります。
阿弥陀経は、極楽浄土の様子と行き方について説かれています。
浄土真宗や浄土宗で読まれることが多いです。
法華経
『法華経』(ほけきょう)は、天台宗と日蓮宗で読まれることが多いお経です。
正式名称は『妙法蓮華経』(みょうほうれんげきょう)です。
法華経では、人類は皆平等であり、誰でも成仏して極楽浄土に行けると説いています。
また、今を生きることの大切さを教えており、多くの人々の支えとなっています。
華厳経
『華厳経』(けごんきょう)は、お釈迦様の考えをまとめたお経です。
膨大な量であり、内容を理解するのは非常にむずかしいです。
すべての存在が互いに依存しつつ、調和しているものだと説かれています。
宗派別に読まれるお経の種類
すべての宗派が同じお経を読むことはありません。
ここからは、宗派別に読まれるお経の種類について解説していきます。
- 浄土宗
- 浄土真宗
- 天台宗
- 真言宗
- 曹洞宗
- 臨済宗
- 日蓮宗
浄土宗
浄土宗は、法然上人が開いた宗派です。
「南無阿弥陀仏」と唱えることで、極楽浄土に行けると考えられています。
浄土宗で読まれるお経はこちらです。
- 阿弥陀仏経
- 観無量寿経
- 無量寿経
浄土真宗
浄土真宗は鎌倉仏教のひとつであり、親鸞聖人によって開かれました。
念仏を唱えることで極楽浄土に行ける『他力本願』の考えを重視しています。
浄土真宗で読まれるお経はこちらです。
- 阿弥陀仏経
- 観無量寿経
- 大無量寿経
天台宗
天台宗は大乗仏教のひとつで、天台大師智顗(ちぎ)が開いた仏教の宗派です。
身分に関係なく、誰でも仏様になれると説かれています。
天台宗で読まれるお経はこちらです。
- 自我偈(じがげ)
- 観音経(かんのんぎょう)
- 般若心経
真言宗
真言宗は、弘法大師空海が平安時代に開いた仏教の宗派です。
仏様と同じように行動すれば、誰でも仏様になれる『即身成仏』という教えがあります。
真言宗で読まれるお経はこちらです。
- 般若心経
- 理趣経(りしゅきょう)
- 遺教経(ゆいきょうぎょう)
- 法華経
- 十三仏真言(じゅうさんぶつしんごん)
曹洞宗
曹洞宗は禅宗のひとつであり、坐禅の教えを拠りどころとしています。
また、人の心そのものが仏様であるという『即身是仏』という教えがあります。
曹洞宗で読まれるお経はこちらです。
- 般若心経
- 修証義(しゅしょうぎ)
臨済宗
臨済宗は、鎌倉時代に栄西によって開かれました。
曹洞宗と同じように、坐禅による修業が重要だと考えられています。
臨済宗で読まれるお経はこちらです。
- 般若心経
- 大悲呪(だいひしゅ)
- 観音経(かんのんきょう)
日蓮宗
日蓮宗は、日蓮聖人が開いた仏教の宗派です。
「南無妙法蓮華経」を繰り返し唱えることが重要だと考えられています。
日蓮宗で読まれるお経はこちらです。
- 法華経
仏教の宗派は多く、それぞれ本尊や経典などに違いがあります。
仏教の宗派の特徴や種類については、こちらの記事を参考にしてください。
読経時の所作
お経を唱えるもしくは聞くときは、下記の所作をおこないます。
- 合掌
- 礼拝
どのような内容なのかを、順番に見ていきましょう。
合掌
合掌とは、胸の前で手を合わせる行為です。
仏教において、右手は仏様や極楽浄土、左手は自分自身やこの世だと考えます。
右手と左手を合わせることで、故人をあの世に送り出せるという意味があります。
礼拝
礼拝(らいはい)は、合掌をしたまま45度の角度で頭を下げる行為のことです。
立っておこなうこともあれば、座っておこなうこともあります。
まとめ
葬儀で読まれるお経には、故人を極楽浄土に導くことと、遺族を幸せに導くことの2つの目的があります。
代表的なお経は、下記の4つです。
- 般若心経
- 阿弥陀経
- 法華経
- 華厳経
宗派によって、読まれるお経が異なります。
お経を唱える意味や種類を把握しておき、故人の冥福を祈りましょう。
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