「いくら包めば失礼がない?」「表書きは御霊前?御仏前?」「欠席するときはどう送る?」――納骨式の香典は、金額判断・香典袋の記入・持参/郵送の3段階で迷いが重なりがちです。
しかも、宗派や地域、会食の有無で“正解”が微妙に変わるのが難しいところ。本記事は、納骨式の基本と例外を表・チェックリストで整理し、シーン×関係性で金額の幅と考え方を明示。
宗教別の無難な表書きフロー、中袋の旧字体(大字)、水引・袱紗・墨色まで、そのまま写せる実務手順で解説します。
欠席時の現金書留の封入順・便箋の体裁、よくある“新札しかない/宗派が不明”への即応策も網羅。不安が残る場合は、油山平成御廟へお気軽にご相談ください。
目次
納骨式の香典、まず決めるのは3点
相場はシーン(納骨のみ/会食あり/法要併催)×関係性で判断します。目安は納骨のみ=5千~1万円、会食あり=1万円前後。法要と併催なら法要分のみを包み、二重計上は避けます。
会食費は施主負担のため、参列が多い場合はやや上振れ配慮が無難。地域の慣習と喪家意向を最優先に調整を。
1.シーン別の考え方
納骨のみ/会食あり/法要と併催(四十九日・一周忌など)
2.関係性別の目安
親・兄弟姉妹
祖父母・叔父叔母
親族以外(友人・職場)
3.地域・家の慣習
地域や家の習慣によって、金額・表書き・水引の色や袱紗色の細かな差異がある場合も.
これら3点を先に決めると、金額と香典袋の体裁が一気に固まります。
※最終判断は喪家(施主)の意向に従うのが原則
金額相場の「幅」と考え方(早見表つき)
金額は「納骨のみ=5千〜1万円」「会食あり=1万円前後」が基本。法要と併催の場合は納骨分を別立てせず法要分のみ包みます。
関係性ごとの幅は早見表で確認し、地域の慣習や会食内容、施主の負担状況に合わせて調整しましょう。迷うときは案内状や施主に確認を。
基本のめやす
納骨のみ:5,000円〜10,000円
会食あり:10,000円前後(会食内容や人数で+α配慮)
法要併催:法要分のみを包み、納骨分は別立て不要(二重計上を避ける)
ポイント
・会食費は施主負担。参列者が多い・会食が充実→1万円超も無難。
・地域の慣習が強い場合は、地元の相場>全国平均で優先。
関係性別の幅(目安)
| 関係性 | 金額の目安 |
| 親 | 10,000円~50,000円 |
| 兄弟・姉妹 | 10,000円~50,000円 |
| 祖父母 | 5,000円~30,000円 |
| 叔父・叔母 | 5,000円~30,000円 |
| 親族以外 | 3,000円~10,000円 |
上表は「納骨の場面での一般的幅」を示す目安です。地域性・年齢・会食有無・施主の負担状況、喪家の意向などで上下します。迷うときは案内状や施主側に確認するのが最短です。
香典袋の選び方(水引・紙質・上書きの基本)
仏式・神式は黒白または双銀の結び切りが通例。包む金額に袋の“格”を合わせ、少額は印刷水引、1万〜3万円は実物水引の金封が目安です。
図柄は仏式なら蓮可、神式は白無地が基本。宗教・地域差に配慮し、上書きと紙質をトータルで揃えると失礼がありません。
水引:仏式・神式は黒白または双銀(銀一色系/地域により白銀・白青)の結び切りが通例。金額が上がるほど水引が実物仕様の金封を選ぶ。印刷水引は少額向け。
紙質:包む金額と袋の“格”を合わせる(3千〜5千円=印刷水引、1万〜3万円=実物水引の金封、など)。
図柄:仏式は蓮の印刷可。神式は白無地を基本とし、仏式意匠(蓮)は避ける。
表書きの使い分け(仏式/神式/キリスト教/無宗教)
手順は表書き(宗教別)→中袋(金額=旧字体/住所氏名)→水引(結び切り)→包み方→墨色の順で。仏式は四十九日前後で御霊前/御仏前が切り替わります。
キリスト教は御花料・献花料が無難。中袋は金壱萬円など大字で、裏に住所氏名。水引は白黒または双銀(白×青)結び切り。納骨式は濃墨が基本です。
仏式
四十九日以前 … 御霊前
四十九日以降 … 御仏前
汎用 … 御香典/御香料/御弔料
四十九日を境に表書きを切り替えるのが一般的です。
神式
御霊前/御玉串料/御榊料/御饌料 など(袋は白無地)。
キリスト教
- プロテスタント … 御花料/献花料/忌慰料(弔慰料)
- カトリック … 御花料/献花料/御ミサ料/御霊前(地域差あり)
宗派の違いにより表書きが異なります。迷う場合は御花料が無難(プロテスタントで御霊前は避ける見解もあります)。
宗派が不明なときの“無難策”
案内状や喪家に確認
確認困難なら、仏式想定=御香典/神式想定=御霊前/キリスト教の可能性=御花料。
宗教別表書き早見表
| 宗教 | 表書きの書き方 |
| 仏教 | ・御香典 ・御香料 ・御弔料 ・御仏前(四十九日以降) ・御霊前(四十九日以前) |
| 神道 | ・御霊前 ・御玉串料 ・御榊料 ・御饌料 |
| キリスト教(プロテスタント) | ・弔慰料 ・御花料 ・献花料 |
| キリスト教(カトリック) | ・献花料 ・御花料 ・御霊前 ・御白花料 ・御ミサ料 |
中袋の書き方:旧字体(大字)・金額・住所氏名・縦横のルール
金額は「金壱萬圓也」など旧字体(大字)が正式。横書きの中袋ならアラビア数字+円でも可です。裏面に郵便番号→住所→氏名の順で楷書、連絡先を小さく添えると照合が円滑。
「円/圓」「千/阡」はどちらも可で、4・9は忌数として避けることがあります。
金額は旧字体(大字)が正式
よく使う大字:壱・弐・参・伍・拾・阡(仟)・萬・圓
例:1万円→金壱萬圓也/5千円→金伍阡圓也
横書きの中袋はアラビア数字+円でも可(例:金10,000円)。
メモ
「金」「也」を添える表記は丁寧(最近は省略も一般化)。
住所・氏名
裏面に郵便番号→住所→氏名の順に楷書で。
連絡先(電話番号)を小さく添えると先方が香典返しの照合をしやすくなります。
連名(夫婦・家族・友人グループ・会社)と金額のまとめ方
夫婦・家族は代表者フルネームを中央、配偶者や家族名は左に添えるのが基本(3名までが目安)。
友人・会社は3名まで連名、4名以上は「○○一同」とし別紙で全員の氏名・住所(任意)・内訳を同封します。会社名義は社名・部署を上段、下段に代表者名で整えます。
夫婦・家族
表面下段は代表者のフルネームを中央に。妻(家族)は左側に名前のみを添える(3名までが目安)
こどもの名をどうしても入れる場合は中袋に学年等を添え、香典返し対象外の意図を示す配慮も。
友人グループ・会社
3名までは連名で右から序列(上下なしなら五十音順)。
4名以上は「〇〇一同」や「〇〇会社有志」とし、別紙に全員の氏名・住所(任意)・金額内訳を同封。代表者名の左に「外一同」と添える書き方もあります。
金額のまとめ方
・一同で包むときは、合計額と内訳が分かるメモを中袋に同封すると親切。
・会社名義は社名+部署名を上段に、下段に代表者名で整えます。
当日の所作:袱紗の色・受付での渡し方・墨色の選択
袱紗は紫・紺が慶弔兼用。受付前に袱紗から香典袋を静かに取り出し、相手から正しく読める向きに直して一礼し両手で渡します。お悔やみの言葉は簡潔に。
筆記は納骨式では濃墨が基本(薄墨は通夜・葬儀で“急ぎ駆けつけた”意を表す意味)。
袱紗
紫・紺が慶弔どちらにも使える万能色。香典袋は外側が上になるよう包みます。
受付での渡し方
受付前で袱紗から香典袋を静かに取り出し、
表書きが相手から正しく読める向きに持ち直し、
一礼して両手で差し出す——のが基本。お悔やみの言葉は短く控えめに。
墨色(薄墨か濃墨か)
納骨式は濃墨が基本(通夜・葬儀で薄墨を用いるのは“急ぎ駆けつけた”意を表すため)。
欠席時の送り方:現金書留の封入順と手紙の文例
現金は普通郵便で送れないため、必ず現金書留で。封入は①香典袋②白無地・縦書きの手紙(香典袋には入れない)の順で、宛名は喪主、到着は前日が理想。
文面は形式に沿って簡潔に弔意を伝えます。大きな品は別送し、窓口で所定の手続きを行います。
手順(推奨の封入順)
香典袋(外袋+中袋)
白無地・縦書きの手紙(香典袋の中には入れず、現金書留封筒へ同封)
宛名は喪主(施主)。到着は前日までが理想。
郵送方法
現金は普通郵便で送れません。必ず「現金書留」を使用します(専用封筒を郵便局で購入。窓口から差し出し)。
文例(1)親族宛(欠席のやむなき事情)
拝啓
このたびは納骨式のご案内をいただきありがとうございました。あいにく所用により出席かないませず、まことに失礼ながら心ばかりの御仏前を同封いたします。ご焼香の折にお納めくださいますようお願い申し上げます。
皆様のご平安をお祈りし、遠方より手を合わせております。
敬具
文例(2)友人宛(略式)
拝啓
納骨のよし、お知らせいただきありがとうございました。出席できず失礼いたします。心ばかりですが御香典をお送りします。どうぞお納めください。
皆様が穏やかにお過ごしになれますようお祈り申し上げます。
取り急ぎ書中にて失礼いたします。
敬具
文例(3)キリスト教(プロテスタント想定)
拝啓
このたびの納骨式には出席かないませんため、僭越ながら御花料を同封いたしました。ささやかではございますが、献花の志としてお受け取りください。
敬具
補足:現金書留は手紙の同封可。封筒に入らない品は別送+「現金書留」の表示で窓口手続き。
よくあるNGと回避策
新札のみ:基本は新札を避ける。やむを得ず新札しかないときは軽く一折りして使用感を付ける。
ボールペン書き:毛筆/筆ペン(薄墨は通夜葬、納骨は濃墨)。
金額と袋の“格”のミスマッチ:金額に見合う紙質・水引に。
宗派不明で不適切な表書き:確認最優先。難しければ“無難策”へ。
普通郵便で現金送付:不可。現金書留のみ。
四十九日併催で二重計上:法要分のみ
相談窓口としての油山平成御廟
宗派・地域差・家の慣習で判断が割れるときは、現地実務に通じた霊園へ。
油山平成御廟は福岡市近郊からのアクセスが良く、香典の表書き相談から納骨式全般まで個別にサポート。資料請求・見学・問い合わせは随時受け付けています。
FAQ(法要併催/期日/宗派不明など)
Q:四十九日と納骨を同日に行う場合、香典は2つ必要?
A:不要。法要分のみを包みます(納骨分を別立てしない)。
Q:納骨のみの金額目安は?
A:5千~1万円が基本。会食あり=1万円がめやす。
Q:宗派が分かりません。表書きは?
A:確認が最優先。難しければ、仏式想定=御香典、神式想定=御霊前、キリスト教の可能性=御花料・献花料。
Q:欠席時の送り方は?
A:現金書留で香典袋と白無地縦書きの手紙を同封(手紙は香典袋に入れない)。前日到着が理想。
Q:墨は薄墨?濃墨?
A:納骨式は濃墨が基本(通夜・葬儀は薄墨)。
迷った時のフローチャート
案内状を読む(宗教・会食・施主名の確認)
関係性を決める(親/親族/友人)
金額を決める(シーン×関係性の表で幅を確定)
袋を用意(水引・紙質・表書きの選定)
中袋を書く(大字→住所氏名→連絡先)
袱紗に包む→当日の所作(濃墨・一礼・両手渡し)
欠席時は現金書留(手紙は香典袋と別で封入)
まとめ
上の手順で金額→記入→持参/郵送の流れを整えれば、納骨式の香典マナーは十分です。
判断に迷う場合は、案内状の差出人(施主)へ一言確認が最善。地域差・家の慣習が強いときほど安心です。
仕上げ前の最終チェックや宗派不明の悩みは、油山平成御廟へお気軽にご相談ください。資料請求・見学予約も随時受付中です。
免責事項
本記事は一般的なマナーを整理したもので、地域差・宗派差・家の慣習により運用が異なる場合があります。最終判断は喪家(施主)の意向に従い、可能な範囲で事前確認を行ってください。
