親が亡くなったら檀家はどうなる?菩提寺の調べ方や分からないときの対処法を解説

「お墓が亡くなったら、檀家にならないといけないの?」
「檀家になると何をするの?」
「菩提寺が分からないときはどうすればよい?」
親が亡くなったあと、子どもは檀家を承継するのかと悩んでしまうかもしれません。

この記事では、親が亡くなった場合の檀家の承継について解説していきます。
この記事を読めば、檀家の承継や菩提寺の調べ方が分かるようになります。

檀家に関する悩みを抱えている方は、ぜひ参考にしてください。

親が亡くなったら檀家はどうなるのか

もし親が檀家であった場合、祭祀財産を承継する祭祀承継者が檀家となります。

『祭祀承継者』とは、お墓や仏壇などの祭祀財産を引き継ぐ人物のことです。
祭祀財産を分割して所有することはできないため、特定のひとりのみが祭祀承継者となります。

また、親が亡くなったからといって、子どもが自動的に祭祀承継者になるわけではありません。
血縁関係のない人物が祭祀財産を承継することも可能です。

お墓の相続に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。
お墓を相続するのは誰なのか?相続方法や手続き、費用について解説

祭祀承継者を決める優先順位

祭祀承継者の決め方には、いくつかの方法があります。
下記の優先順位に基づいて決める方法が一般的です。

1.被相続人が特定の人物を指定する
2.親族間での話し合いや地域の慣習に基づいて決める
3.家庭裁判所を介した調停や審判によって決める

それぞれの決め方について、詳しく見ていきましょう。

1.被相続人が特定の人物を指定する

被相続人が祭祀財産を引き継ぐ人物を指定している場合、指名された者が祭祀承継者となります。
指名する方法は、法的な要件を満たす遺言や口頭、文書などがあります。
被相続人から祭祀承継者に指定された場合、祭祀財産の引き継ぎの拒否はできません。

2.親族間での話し合いや地域の慣習に基づいて決める

被相続人による遺言書が見つからない場合や、特定の人物を指定していない場合は、親族間での話し合いや地域の慣習によって祭祀承継者を決めます。

誰が適任であるか、指定された人物が祭祀承継者となる意思があるか、などを考慮します。
関係者全員が納得できる決め方が理想的です。

また、地域や家族によっては、長男が祭祀承継者となる慣習が存在しているケースもあります。
ただし、現代では家族の事情や構成などによって、長男以外の人物が祭祀承継者となることもあります。

関連記事はこちらです。
娘しかいないけどお墓は建ててもよい?おすすめの供養方法や承継問題について解説します

3.家庭裁判所を介した調停や審判によって決める

話し合いでも祭祀承継者を決められない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てて決定します。
関係者が話し合いをした結果、適任とされる人物が祭祀承継者となる流れです。

もし調停でも決まらなければ、審判手続に進みます。
最終的には、家庭裁判所の判断によって祭祀承継者を決めます。

檀家の役割

檀家にはお寺との関係を維持しつつ、宗教活動を支える役割があります。

檀家の役割は、下記の2つがあります。

  • 護持会費の支払い
  • 葬儀や法事の依頼

順番に見ていきましょう。

護持会費の支払い

『護持会費』とは、お寺にお墓や納骨堂がある方が定期的に支払う寄付金のことです。
護持会費を支払うことで、お寺が運営を維持するための手助けとなります。

護持会費はお寺の維持管理や法要、行事の運営費などに使われます。
護持会費の相場は年間5千円から2万円です。

一般的に、護持会費は年毎に支払います。

葬儀や法事の依頼

葬儀や法事を執り行う際は、原則として菩提寺に依頼します。
菩提寺以外に依頼をすると、関係が悪化する可能性があるので注意しましょう。

菩提寺の調べ方

親が急に亡くなってしまうと、菩提寺がどこにあるのかが分からなくなるケースが考えられます。
菩提寺を分からないままにしておくと、急な葬儀に対応できないといった事態に陥る可能性があります。
いざというときに慌てないためにも、親が元気なうちに菩提寺を確認しておくと安心です。

菩提寺を調べる方法には、下記の3つがあります。

  • 家族や親族に聞く
  • 地域のお寺に問い合わせる
  • 位牌の戒名を調べる

家族や親族に聞く

お墓は先祖代々受け継がれていくものです。
家族なら、菩提寺を知っている可能性があります。

もし家族が知らなければ、親族に聞いてみましょう。
菩提寺については、年配者のほうが詳しいことが多いです。
年配者から順番に質問してみるとよいでしょう。

地域のお寺に問い合わせる

親が住んでいた地域のお寺に問い合わせる方法もあります。
個人情報の問い合わせとなるので、怪しまれないように、事前準備が必要です。

なぜ菩提寺を探しているのか、故人との関係は何か、などを明確にしておきましょう。
なお、お寺の数が多い地域では、問い合わせに手間と時間がかかります。

お寺に問い合わせをしつつ、そのほかの方法も並行して菩提寺探しをするとよいでしょう。

位牌の戒名を調べる

位牌の戒名を調べることで、宗派をある程度見分けることは可能です。
宗派の検討をつけてから地域のお寺に問い合わせをすると、菩提寺が見つかる可能性が高まります。

ただし、専門知識がない方が位牌の戒名を見分けるのはむずかしいです。

菩提寺が分からないときの対処法3選

菩提寺が分からないときは、下記の3つの対処法を検討してみましょう。

  • 葬儀社に相談する
  • 檀家となり寺院墓地にお墓を建てる
  • 自分でお寺を探して葬儀を依頼する

葬儀社に相談する

菩提寺を調べても分からないときは、葬儀社に相談してみましょう。
宗教や宗派に合ったお寺や僧侶を紹介してもらえます。

檀家となり寺院墓地にお墓を建てる

新しく檀家となり、寺院墓地にお墓を建てる方法です。
檀家となることで、葬儀や法要を依頼できるメリットがあります。

しかし、檀家となると護持会費の支払いや、今後の付き合いが発生します。
関係者と相談してから判断するとよいでしょう。

自分でお寺を探して葬儀を依頼する

宗派に合ったお寺を調べて、葬儀を依頼する方法です。
しかし、檀家でなければ断られてしまう可能性があります。

まとめ

親が檀家だからといって、子どもが承継するわけではありません。
檀家を承継するのは祭祀承継者です。

子どもが祭祀承継者となった場合は、祭祀財産とともに檀家も承継することとなります。
もし菩提寺が分からなければ、家族や親族に聞く、地域のお寺に問い合わせるなどの方法があります。

それでも菩提寺が判明しないときは、葬儀社に相談してみましょう。

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この記事を監修した人

株式会社江戸や 福岡支社 営業部部長
大塚勝俊

2003年に株式会社江戸やに入社。以来、20年以上にわたり、霊園管理やご供養に関する深い知識と経験を積み重ね、多くの顧客から高い信頼を得ています。

伝統と格式を重んじながらも、供養する人もされる人も安心できる多様なサービスを提供し、現代のニーズに対応した新しい供養の形を追求しています。