線香をあげる意味は?宗派別のあげ方や選び方、線香代の相場を解説します

お墓や仏壇の前では『線香をあげる行為』が当たり前のように行われています。

しかしこの線香をあげる意味について、知っている方は少ないのではないでしょうか。

 

この記事では線香をあげる意味について解説します。

また線香の宗派別のあげ方や選び方、線香代の相場についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

線香をあげる意味とは

線香をあげる意味には3つ考えられます。

線香をあげる意味1.故人に食べ物をあげる

仏教において、線香の香りは食べ物であるとされています。

仏教経典の『倶舎論(くしゃろん)』によると、生前に善い行いをした方はよい香りを食べるそうです。

 

また四十九日までの間は、線香を絶やすことなく焚き続ける風習が残っている土地もあります。

これを『食香(じきこう)』とよび、故人に香りを食べてもらうために線香を焚くのです。

線香をあげる意味2.心身を清める

線香の香りは身を清める効果があるとされています。

故人や仏様にあいさつをする前は、身も心もきれいにしなければなりません。

 

そこで、線香の香りによってあいさつをする方の匂いを消しつつ、身も心も清めるのです。

線香をあげる意味3.心を通わせる

故人や仏様とは直接会話ができません。

そこで線香をあげることで、線香が現世とあの世の橋渡しになるとされています。

 

橋渡しができるからこそ、故人や仏様と対話ができるというわけです。

基本的な線香のあげ方

線香のあげ方は宗派や地域によって異なります。

ここでは、基本的な線香のあげ方を順番に紹介します。

 

1.左手に数珠を持つ

2.仏壇の正面に座り、一礼して合掌する

3.ろうそくに火をつけてから、線香に火をつける

4.線香に火がつき、煙が出ていることを確認したあとは、香炉に線香を立てる(宗派や地域によっては線香を寝かせる)

5.仏壇の横に置いてある『おりん』を一度鳴らしてから合掌する※

6.仏壇に一礼する

 

※浄土真宗本願寺派の場合、おりんは鳴らさなくてよいです

宗派別の線香のあげ方

宗派によって線香のあげ方は異なります。

事前に宗派の確認をしておくとよいでしょう。

 

浄土真宗:線香1本を真ん中から2つに折って、横に寝かせる

浄土宗:線香は折らない。1~3本を香炉の真ん中に立てる

臨済宗・曹洞宗・日蓮宗:線香は折らない。1本を香炉の真ん中に立てる

天台宗・真言宗:線香は折らない。3本を立てて1本は自分側に、残りの2本を仏壇側にそれぞれ立てて逆三角形を作る

 

確認しておくとよい点は以下の3点です。

 

・線香は何本か

・線香を折るのか

・線香を立てるのか、寝かせるのか

 

このポイントが分かれば、宗派によってどのように線香をあげればよいのか、迷うことも少なくなるでしょう。

宗派が分からないとき

親しい間柄でなければ、宗派が分からないことも珍しくありません。

線香のあげ方の基本的な流れは同じです。

 

迷ったときはさきほど紹介した『基本的な線香のあげ方』の手順で行えばよいでしょう。

 

もしくは先に線香をあげている方を参考にする方法もあります。

線香は何本立てているか、線香を折っているのかなどを見ておき、自分も合わせるとよいでしょう。

線香の選び方

お墓や仏壇にあげる線香には、特に決まりはありません。

自分が好きな線香を選んでもよいですし、故人の好きだった香りのものにしても構いません。

 

ここからは線香の選び方を紹介します。

線香の選び方1.故人の好きだった香りを選ぶ

お墓や仏壇にあげる線香には、特に決まりはありません。

自分が好きな線香を選んでもよいですし、故人の好きだった香りのものにしても構いません。

 

ここからは線香の選び方を紹介します。

 

線香の選び方1.故人の好きだった香りを選ぶ

故人の好きだった香りのものを選べば、生前の想い出もきっとよみがえります。

また、あの世でも故人が喜んでくれることでしょう。

 

香りの種類は花やコーヒー、かんきつ系などさまざまな線香が発売されています。

線香の選び方2.煙の少ない線香を選ぶ

マンションやアパートなどの集合住宅は多くの住民が住んでいるため、周囲への配慮が必要です。

煙が多く出る線香を選ぶと、迷惑に感じる方もいるかもしれません。

 

そこでおすすめなのが煙が少ない線香です。

狭い空間でも使いやすいため、集合住宅でも使いやすいでしょう。

線香代の相場

線香代とは線香の代わりにお金を包んで渡すことをさします。

以前の葬儀では自分で用意した線香を持っていくのが一般的でしたが、現在は先方の線香を用いてお供えするのが主流です。

 

線香代は状況に応じて金額が変動します。

目安としては下記を参考にしてください。

 

・近所の方や知り合いには2,000円~3,000円

・関係が近い方には5,000円~1万円

・大切な方なら1万円~3万円

お墓参り

お墓参りは5,000円~1万円程度が相場です。

線香代とは別にお供え物も持参する場合は、差し引いた金額を包んで構いません。

お盆

お盆もお墓参りと同様に、5,000円~1万円程度が相場です。

あまり少ないと、故人や仏様に対する気持ちが薄いと判断されるおそれもあります。

 

お供え物も持参する場合は、お墓参りと同じように差し引いた金額を包んでも失礼ではありません。

家族葬

家族葬の線香代の相場は5,000円以上が相場です。

家族葬は近親者のみで執り行う葬儀です。

あまりにも金額が少ないと、失礼だととらえてしまう方もいるでしょう。

 

ただし、家族葬は香典を受け取らないケースも珍しくありません。

判断に迷った際は、事前に確認しておくとよいでしょう。

弔問

後日弔問する場合は、5,000円~1万円程度が相場です。

故人との関係性によっては1万円~3万円を目安に包むとよいでしょう。

弔問できないときの対応

訃報を受けたものの、何かしらの事情で通夜や告別式に参列できないこともあるでしょう。

弔問できないときは、先方に弔意を伝えてください。

 

ここからは弔問できないときの対応を紹介します。

弔問できないときの対応1.弔電を打つ

葬儀の前日までに弔電の手配をします。

届け先は通夜や告別式を行う会場にしてください。

 

差出人の氏名はもちろん、住所も記載しておくと、先方がお礼状を出すときに分かりやすいので親切です。

弔問できないときの対応2.供物や供花を送る

祭壇のわきに飾る供物や花を送ります。

 

供物は和菓子や果物、お酒などの食べ物や線香など、さまざまなものがあります。

供花は白い菊の花が選ばれることが多いです。

 

手配は葬儀社に依頼するのが一般的とされています。

自分で手配すると斎場の大きさに見合わなかったり、宗教や地域にふさわしくなかったりする可能性があるからです。

 

ただし、事前に先方から供物や供花は辞退するといった旨を聞いた際は、送らないでください。

弔問できないときの対応3.香典を送る

現金を不祝儀袋に入れてから郵送する方法です。

香典を送る際は必ず現金書留を選択してください。

 

また、お悔やみの手紙を同封するとより丁寧な印象になります。

 

内容としては、以下のポイントを意識して書くとよいでしょう。

 

・故人を悼み遺族を慰める言葉

・通夜や告別式に参列できないことを詫びる言葉

 

ボールペンや鉛筆は使わず、薄墨を使って書いてください。

まとめ

線香をあげる意味には以下の3つが考えられます。

 

・故人に食べ物をあげる

・心身を清める

・心を通わせる

 

線香のあげ方は宗派別に違いがあるので、事前に確認しておくと安心です。

 

線香を直接あげることが最もよいのですが、直接弔問できないことも考えられます。

その場合は弔電を打ったり、香典を送ったりすることで、故人を悼む気持ちを伝えられるでしょう。



線香のあげ方をはじめ、お墓に関することは難しく、どうすればよいのか迷ってしまう方もいるかもしれません。

気になることがあれば平成御廟のスタッフがご相談にのらせていただきます。

 

ほかにも気になる点がございましたら、スタッフまでお気軽にお問い合わせください。

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