お墓は故人を弔うために遺骨をおさめる場所です。
従来のお墓といえば和型の一般墓をイメージされる方が多いと思われます。
しかし、現在はお墓も多様化が進んでいるのをご存じでしょうか。
この記事ではお墓の種類と特徴について解説していきます。
・お墓を探したいけど、どのような種類があるのかわからない
・お墓の特徴を知って、お墓選びの参考にしたい
このようなお悩みの方に役立つ情報をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
目次
お墓には4つの種類がある
お墓には下記の4つの種類があります。
・一般墓
・樹木葬
・納骨堂
・永代供養墓
それぞれのお墓の特徴について見ていきましょう。
お墓の種類1.一般墓
一般墓は昔からある伝統的なお墓です。
家族や親戚などの一族単位で利用し、先祖代々受け継がれていきます。
一族の本家の長男が引き継いで管理する場合が多いのですが、特に決まりはありません。
お墓の所有者が指定した人物であれば、親族以外でも引継ぎが可能です。
一般墓には下記の3種類があります。
・和型墓石
・洋型墓石
・デザイン墓石
一般墓の種類1.和型墓石
なじみのあるお墓といえば和型墓石でしょう。
和型墓石は仏舎利塔を原形にしているといわれており、下記の4つの石を重ねて構成されています。
名称 | 特徴 |
芝台(しばだい) | ・お墓の土台となる部分 ・設置義務はないものの、設置するケースが多い |
中台(ちゅうだい・なかだい) | ・芝台の上に乗せる ・家紋を彫刻する場合がある |
上台(じょうだい・うわだい) | ・竿石を支える部分 |
竿石(さおいし) | ・長方形の高さがある石 ・墓標が彫刻される |
一般墓の種類2.洋型墓石
近年、霊園でよく見られるようになってきたのが洋型墓石です。
スタイリッシュなデザインが人気を集めています。
和型と比べて横に広く、背が低いことが特徴です。
竿石に刻む文字は決まりがなく、故人の想いを形に残せます。
死生観の変化に伴う、現代に適した形だといえるでしょう。
墓石に刻む文字については、下記の記事を参考にしてください。
墓石に刻む文字はどうすればよい?和型と洋型に刻む文字の違いを紹介します【言葉・書体】
一般墓の種類3.デザイン墓石
『デザイン墓石』とは和型墓石や洋型墓石に区分されない、独自デザインの墓石のことです。
世界にひとつだけのオーダーメイドデザインや、従来のデザインにアレンジを加えたセミオーダーデザインなどがあります。
故人の思想を表現できるため、型にはまらないお墓を求めている方におすすめです。
お墓の種類2.樹木葬
『樹木葬』とは、墓石を建てずに樹木や草花などの自然を墓標とするお墓のことです。
樹木葬の歴史は浅く、1999年に岩手県の大慈山祥雲寺(現在の長倉山知勝院)によっておこなわれたのがはじまりといわれています。
遺骨のそばに樹木を植えていき、里山の保全も兼ねた画期的なものでした。
現在の樹木葬は多様化しており、一目では樹木葬だとわからないものもあります。
樹木葬は立地によって下記の2種類に分けられます。
・里山型
・公園型
樹木葬の種類1.里山型
里山の自然を活かした環境に遺骨を埋葬するのが里山型です。
都市部から離れた場所にある場合も多いため、参拝に行くには大変ですが自然に還りたいと願う方の希望に応えられます。
埋葬する際に樹木を植えるので、山林の保全にもつながり環境に優しい特徴があります。
樹木葬の種類2.公園型
霊園に樹木葬の区画を設け、自然が多い公園のような環境で樹木葬をおこなうのが公園型です。
里山型と比べてアクセスが便利な点と、施設が整備された環境で管理される点が違いだといえます。
しかし自然に還るという点については、里山型の方が感じられるでしょう。
樹木葬についてはこちらの記事も参考にしてください。
お墓の種類3.納骨堂
『納骨堂』とは、寺院や霊園などの建物に遺骨をおさめるお墓のことです。
納骨堂にはたくさんのスペースが設けられており、多くの遺骨を収蔵できます。
また屋内にあるため、天候に左右されずにお参りができる点も便利です。
しかし特に墓地を確保しづらい都心部においては人気が高く、利用できないケースも珍しくありません。
ただ核家族化が進む現代において、納骨堂はますますニーズが高まっていくでしょう。
ここからは代表的な納骨堂の種類を3つ紹介していきます。
・ロッカー式
・仏壇式
・自動搬送式
納骨堂の種類1.ロッカー式
納骨堂で一般的な形がロッカー式です。
コインロッカーのように並べられたロッカーに納骨します。
使用するスペースによって費用が異なりますが、納骨堂としては安価に利用できるため人気が高いです。
納骨堂の種類2.仏壇式
上段に仏壇、下段に納骨スペースが設けられているのが仏壇式です。
一人用から夫婦用、家族用などさまざまなタイプがあるため、納骨したい人数に合わせて選べるのがメリットです。
また、位牌やお供えなども置けます。
納骨堂の種類3.自動搬送式
参拝ブースの機械にICカードをかざすと、自動的に骨壺が運ばれてくるのが自動搬送式です。
スペースの有効活用ができるため、都市部を中心に拡がりをみせています。
またアクセスのよい場所に造られる場合が多く、仕事帰りに立ち寄りやすい点が特徴です。
納骨堂に関しては下記の記事も参考にしてください。
お墓の種類4.永代供養墓
お墓を管理する承継者がいなくなった場合でも、墓地を管理する霊園や寺院が供養をおこなってくれるのが永代供養墓です。
家のお墓に入りたくない方や単身者、一代限りのお墓に入りたい方などに選ばれる傾向があります。
永代供養墓には下記の3種類があります。
・合祀(合葬)
・個別安置墓
・集合安置墓
永代供養墓の種類1.合祀(合葬)
永代供養墓でもっとも多いタイプが合祀墓です。
ひとつのスペースに遺骨をまとめて埋葬します。
ほかの方と同じお墓に安置されるため『合同墓』とも呼ばれます。
しかし、一度合祀すると遺骨は取り出せなくなる点に注意が必要です。
合祀墓についてはこちらの記事も参考にしてください。
永代供養墓の種類2.個別安置墓
従来の一般墓と同じように、骨壺を個別のスペースに収めるのが個別安置墓です。
一般墓と同じような感覚でお参りができるのが特徴といえます。
17年、33年と一定の期間が過ぎたあとは遺骨を合祀します。
永代供養墓の種類3.集合安置墓
個別の骨壺を専用のスペースにおさめ、石碑や石塔を建てるのが集合安置墓です。
合祀と異なり遺骨はほかの方とまとめられないため、将来的に改葬を考えている方に向いています。
関連記事はこちらです。
墓地の種類
遺骨を埋葬する墓地には下記の3つの種類があります。
・公営墓地
・民営墓地
・寺院墓地
それぞれの特徴をまとめました。
墓地の種類 | 運営元 | 特徴 |
公営墓地 | 都道府県や市町村 | ・経営が安定している ・宗教や宗派、石材店の縛りがない ・人気があると抽選式となる |
民営墓地 | 宗教法人や財団法人など | ・宗旨や宗派が不問であるケースが多い ・設備が充実している ・費用が割高になりやすい |
寺院墓地 | お寺 | ・住職がいるので相談しやすい ・交通の便がよい場所にあるケースが多い ・宗教や宗派の制約がある寺院墓地が多い |
霊園や墓地に関してはこちらの記事を参考にしてください。
まとめ
お墓の種類は一般墓や樹木葬などがあります。
これまで主流だった一般墓のほかに、樹木葬や納骨堂など、時代の変化とともにお墓も形を変えてきました。
核家族化や独身者の増加、高齢化社会などの要因で、お墓に求められる要素はこれからも変化していくでしょう。
お墓の種類を知ることで、自分に合ったお墓選びの参考となります。
どのようなお墓に入りたいのか、承継者はいるのかなどを考えたうえで、最適なお墓を見つけてくださいね。
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