お墓に灯篭を設置する意味とは?種類や構造、置けないときの対処法を解説

灯篭は古くから存在する照明器具のひとつであり、お祭りやお寺などで見かけます。
お墓に設置される灯篭は墓前灯篭と呼ばれており、近年ではデザイン性が高いものが増えています。
では、なぜお墓に灯篭を設置するのでしょうか。

この記事では、お墓に灯篭を設置する意味について解説していきます。
また、お墓の灯篭の種類や構造、置けないときの対処法なども紹介するので、ぜひ最後まで目を通してみてくださいね。

目次

お墓に灯篭を設置する3つの意味

お墓に灯篭を設置する意味には、下記の3つがあります。

・灯燭の役割を果たす
・邪気を払う
・お墓参りに来た方の足元を照らす

それぞれの意味について、詳しく見ていきましょう。

お墓に灯篭を設置する意味1.灯燭の役割を果たす

仏教では『五供』(ごく、ごくう)と呼ばれる考え方があります。
五供は、お墓や仏壇にお供えする5つのお供え物を指しています。

五供のひとつが灯燭(とうしょく)です。
お墓には火のついたろうそくをお供えします。
この灯燭の役割を果たすものが、灯篭であると考えられています。

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お墓に灯篭を設置する意味2.邪気を払う

火は邪気を払うものとして、古来から神聖視されてきました。
お墓の灯篭に火を灯すことで、邪気を払う役割があります。

お墓に灯篭を設置する意味3.お墓参りに来た方の足元を照らす

昔の墓地は暗く、道に迷ってしまうことは珍しくありませんでした。
そこで、お墓の灯篭により足元を照らすことで、道に迷わないようにする役割がありました。

現在では照明器具の発達により、足元を照らす役割以外を目的として、お墓に灯篭を設置するケースが多いです。

灯篭の4つの種類

灯篭には下記の4種類があります。

・墓前灯篭
・春日灯篭
・雪見灯篭
・置灯篭

どのような特徴があるのかを、順番に解説していきます。

灯篭の種類1.墓前灯篭

お墓の前に設置する灯篭が墓前灯篭です。

墓前灯篭は、お墓の右側に一基もしくは一対設置するケースが一般的です。
墓前灯篭の形には丸型と四角型があります。
お墓との組み合わせやご自身の好みに応じて、墓前灯篭の形を選びましょう。

灯篭の種類2.春日灯篭

お寺や日本庭園などで見かけるのが春日灯篭です。

春日灯篭は春日大社で使われていたことから、この名称が付けられたといわれています。
背が高い特徴があり、存在感があります。

灯篭の種類3.雪見灯篭

柱がなく、背が低い特徴があるのが雪見灯篭です。

雪見灯篭は日本庭園の水面を照らすために設置されます。
雪見灯篭の笠の形は、丸型と六角形の2種類があります。

灯篭の種類4.置灯篭

柱がなく、平らな石の上に設置される灯篭が置灯篭です。

置灯篭の大きさは50㎝ほどであり、足元を照らすことを目的として設置されています。

お墓の灯篭の構造

お墓の灯篭は、下記の6つの部材から構成されています。

・宝珠
・笠
・火袋
・受け
・柱
・地輪

上部から順番に解説していきます。

お墓の灯篭の構造1.宝珠

灯篭の頂上部分にあたるのが宝珠(ほうじゅ)です。

玉ねぎのような形が特徴的です。

お墓の灯篭の構造2.笠

灯篭の屋根部分にあたるのが笠(かさ)です。

笠は雨避けとなり、火が消えることを避ける効果があります。
笠の形は四角形や六角形が主流です。

お墓の灯篭の構造3.火袋

火を灯す部分が火袋(ひぶくろ)です。
火袋はお墓の灯篭の中心部といえる部材です。

火を灯すことを目的としていなければ、灯火をしません。
しかし、灯火をしなくても火袋は省略できない部分です。

なお、火袋に電灯を入れれば照明器具となり、墓地周辺を照らせます。

お墓の灯篭の構造4.受け

受けは火袋を支える部材です。

最下部の地輪と対の形をしているケースが多いです。

お墓の灯篭の構造5.柱

受けと地輪のあいだにある部材が柱です。
柱の高さがあるものほど、存在感があります。

雪見灯篭や置灯篭の柱はありません。

お墓の灯篭の構造6.地輪

お墓の灯篭を安定させる部材が地輪です。

六角形や円形の地輪が主流です。
複数の足によって構成されている地輪もあります。

お墓に灯篭を置けないときの対処法

お墓のスペースに余裕がなければ、灯篭を設置できないケースが考えられます。
もしお墓に灯篭を設置できないのであれば、無理に置かなくても問題はありません。

お墓の灯篭は、灯燭の役割を果たすものだと説明しました。
しかし、ろうそくに火を灯せば灯篭の代わりとなります。

また、灯篭をお墓の右側に一基のみ設置してもよいでしょう。

まとめ

お墓に灯篭を設置する意味は灯燭の役割を果たす、邪気を払うなどの役割があるからです。
またお墓の灯篭は、かつては暗い墓地を照らす役割も果たしていました。

お墓の灯篭には、墓前灯篭や春日灯篭などの種類があります。
お墓に設置するのは墓前灯篭です。

もしお墓に灯篭を置けなくても、問題はありません。
ろうそくに火を灯すことで、お墓の灯篭の代わりとなります。

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