改葬とは?お墓の引越しが増えている理由や手続き、墓じまいとの違いを解説

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現在の日本はライフスタイルの変化が見られます。
引越しや管理者の高齢化などのさまざまな要因によって、お墓に行きづらくなってしまう方も多いのではないでしょうか。

そこで選択肢のひとつとしてあげられるのが『改葬』です。
しかし、改葬という言葉は聞いたことがあるものの、どのような内容なのかが分からない方もいるでしょう。

この記事では、改葬とは何かという内容について解説していきます。

・改葬とは何をするのか気になる
・改葬を検討しているものの、どのような手続きをすればよいのか分からない

上記の疑問や悩みを解決する情報をまとめましたので、ぜひ参考にしてくださいね。

目次

改葬とは

改葬とは一言でいうと、お墓の引越しのことです。
現在埋葬されている遺骨を取り出し、ほかのお墓に移動します。

何らかの事情によってお墓に行くことがむずかしくなった場合は、改葬して家の近くに遺骨を移せば、管理がしやすくなります

改葬は年々増えている

厚生労働省が公開している『衛生行政報告例』によると、改葬件数は年々増加傾向にあります。
直近の3年間の改葬件数を見てみましょう。

2022年:151,076件
2021年:118,975件
2020年 :117,772件

出典:厚生労働省 『衛生行政報告例』

2022年度は2021年度と比較すると、約3,000件もの増加となっています。

改葬が増えている理由

なぜ改葬が増えているのでしょうか。
改葬が増えている理由として考えられるのは、下記の2点が原因だといわれています。

・お墓まで通いにくくなった
・承継者がいない

改葬が増えている理由1.お墓まで通いにくくなった

若いときはお墓に問題なく行けた方も、年齢を重ねるにつれて、墓地まで行きにくくなってしまいます。
また、引越しに伴いお墓から離れてしまった方も、お墓参りが大変です。

上記のケースに該当した方は、お墓を管理しやすくするために、自宅の近くで改葬します。

改葬が増えている理由2.承継者がいない

お墓は承継者が不在となると、いずれは管理費の支払いが滞ります。
管理費が滞納されると、最終的には無縁仏とみなされてしまうのです。

無縁仏にならないために、永代供養を選ぶ方もいます。
永代供養は遺骨の管理や供養を霊園やお寺に依頼できるので、安心できる供養方法といえるでしょう。

永代供養についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

永代供養とは?わかりやすく解説します【メリット・デメリット・費用・種類など】

改葬と墓じまいの違い

改葬と墓じまいは混合されやすい言葉です。
では、改葬と墓じまいはどのような違いがあるのでしょうか。

改葬はお墓を引越しすることです。
一方で、墓じまいは墓石を撤去して更地にしたのち、土地の使用権を返還することです。

墓じまいは改葬の一部であると考えれば分かりやすいでしょう。

関連記事はこちらです。

墓じまいとはどういうこと?進め方や費用、注意点を解説

改葬の手続きと流れ

改葬の手順や流れは以下の流れで進めます。

1.家族や親族に相談する
2.墓地管理者に相談する
3.納骨先を決める
4.改葬許可申請書を入手する
5.埋葬証明書を発行してもらう
6.改葬許可証を受け取る
7.閉眼供養と墓石の撤去を行う
8.取り出した遺骨を新しい場所におさめる

それぞれ見ていきましょう。

改葬の手続きと流れ1.家族や親族に相談する

まずは改葬を考えていると家族や親族に相談しましょう。

改葬は現在あるお墓から遺骨を取り出す、重要な作業です。
もし了承を得ないまま進めてしまうと、のちのちトラブルに発展するかもしれません。

関連記事はこちらです。

お墓の親族トラブルの内容と対処法を紹介します【墓じまい・永代供養・承継】

改葬の手続きと流れ2.墓地管理者に相談する

これまでお世話になった墓地管理者に、改葬を考えていると相談しましょう。

特に、先祖代々お世話になってきた菩提寺に改葬すると伝えてしまうと、困惑してしまうかもしれません。
これまでの経緯や考えなどを伝え、お互いが納得できるように話を進めていきましょう。

改葬の手続きと流れ3.納骨先を決める

改葬先をどこにするのか決めます。

納骨先の情報はインターネットでも手に入りますが、気になる霊園は一度現地に出向き、どのような場所なのかを確認しておくと安心です。

改葬先を決めて契約すると、受入証明書が発行されます。
のちほど必要になるので、大切に保管しましょう。

お墓探しのポイントなどは、こちらの記事で詳しく解説しています。
霊園や墓地選びのポイント7選!お墓の購入前に知っておきたい場所の選び方について解説

改葬の手続きと流れ4.改葬許可申請書を入手する

お墓がある市町村の役所に出向き、改葬許可申請書を入手しましょう。

改葬許可申請書を入手する際、5百円から千円ほどかかる場合があります。
しかし、地域や自治体によっては無料の場合もあります。

改葬許可申請書がダウンロードできる自治体もあるので、公式サイトを確認しておきましょう。

関連記事はこちらです。
改葬許可証が不要なケースはある?改葬時の注意点や必要書類を解説

改葬の手続きと流れ5.埋葬証明書を発行してもらう

現在のお墓の管理者に埋葬証明書を発行してもらいます。

改葬の手続きと流れ6.改葬許可証を受け取る

下記の3種類の書類をそろえたうえで、現在のお墓がある市町村に提出すると、改葬許可証が発行されます。

・受入証明書
・改葬許可申請書
・埋葬証明書

改葬の手続きと流れ7.閉眼供養と墓石の撤去をおこなう

改葬許可証が発行されると、いよいよ遺骨の取り出しをおこないます。

墓石にはご先祖様の霊や仏さまが宿っていると考えられているため、閉眼供養と呼ばれる儀式を行うのが一般的です。
僧侶を招いて読経してもらうことで、普通の石に戻します。

その後、遺骨を取り出して墓石の撤去をおこないます。

改葬の手続きと流れ8.取り出した遺骨を新しい場所におさめる

新しいお墓に遺骨をおさめる前に、開眼供養をおこないます。

開眼供養のあとに遺骨をおさめて、改葬は終了です。

まとめ

改葬とはお墓の引越しのことです。
少子高齢化などが原因で改葬は年々増加傾向にあり、これからも増えていくでしょう。

改葬は手続きが多く、大変だと感じるかもしれません。
しかし、この記事を参考にして進めていけば、スムースに手続きができます。

周囲の意見も取り入れつつ、改葬するのかどうかを決めてみてはいかがでしょうか。

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この記事を監修した人

株式会社江戸や 福岡支社 営業部部長
大塚勝俊

2003年に株式会社江戸やに入社。以来、20年以上にわたり、霊園管理やご供養に関する深い知識と経験を積み重ね、多くの顧客から高い信頼を得ています。

伝統と格式を重んじながらも、供養する人もされる人も安心できる多様なサービスを提供し、現代のニーズに対応した新しい供養の形を追求しています。