お墓の手前に設置されている香炉。
お墓の香炉は何のために設置されているのでしょうか。
この記事では、お墓の香炉について解説していきます。
お墓の香炉の種類や選び方、お手入れ手順を知りたい方は、ぜひ最後まで読み進めてみてくださいね。
目次
お墓の香炉とは
『お墓の香炉』とは、線香をお供えする場所を指します。
従来は香炉を使用せず、線香立てに線香を立ててお供えをするケースが一般的でした。
しかし、線香立てに線香を立てると火が消えやすく、悪天候では使いにくい点が問題視されていました。
この問題点を解決するために使われるようになったのが、お墓の香炉です。
お墓に線香をお供えする意味
仏教には『五供』(ごく、ごくう)という考え方が存在します。
五供としてお供えするものは、下記の5つです。
・香
・花
・灯燭(とうしょく)
・浄水
・飲食(おんじき)
線香は五供のうち、香にあたるものです。
故人やご先祖様は線香の香りを食事とします。
また、線香の香りがその場を清める役割も果たします。
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お墓の香炉の種類
お墓の香炉は9種類あり、それぞれ特徴が異なります。
ご自身が希望するお墓の香炉を選ぶためにも、種類の把握は重要です。
ではどのようなお墓の香炉があるのか、順番に見ていきましょう。
・立置型香炉
・横型香炉
・経机型香炉
・供物台香炉
・アーチ型香炉
・宮型香炉
・扉付き香炉
・引き出し式香炉
・花立・水鉢一体型香炉
お墓の香炉の種類1.立置型香炉
立置型香炉は線香を立ててお供えする香炉です。
従来のお墓の香炉といえば、この立置型香炉でした。
ただ、立置型香炉は線香が立てづらく、雨風にさらされると火が消えやすいことが難点でした。
そこで、この難点を解消するために考えられたのが、屋根付きの立置型香炉です。
屋根付きの立置型香炉では火が消えにくく、悪天候でも利用しやすくなりました。
お墓の香炉の種類2.横型香炉
横型香炉は線香を横にしてお供えします。
横型香炉の形はシンプルなため、さまざまな形のお墓と合わせやすいです。
また、屋根付きの横型香炉は雨風を防ぎやすい構造となっており、近年では人気が高いです。
さらに線香の灰が受け皿に落ちるので、墓石が汚れにくい点も優れています。
お墓の香炉の種類3.経机型香炉
お墓の香炉の屋根部分が経机の形をしているものを、経机型香炉と呼びます。
『経机』(きょうづくえ)とは、お経を載せる机のような形をした仏具です。
経机型香炉は見た目が豪華であり、和型墓石に合います。
お墓の香炉の種類4.供物台香炉
香炉と供物台が一体化している香炉が供物台香炉です。
香炉の屋根部分が供物台となっています。
供物台を用意する必要がなく、スペースを有効利用できるメリットがあります。
お墓の香炉の種類5.アーチ型香炉
お墓の香炉の屋根部分がゆるやかなアーチ状となっているのが、アーチ型香炉です。
アーチの形が柔らかな印象を与えます。
また、香炉の角部分が欠けにくいです。
なお、アーチ部分が半月型のような香炉は櫛型香炉と呼ばれ、区別されるケースがあります。
お墓の香炉の種類6.宮型香炉
お墓の香炉の屋根部分がお堂の屋根の形状となっている香炉を、宮型香炉と呼びます。
宮型香炉は、高級な印象を与えるデザインとなっています。
お墓の香炉の種類7.扉付き香炉
開閉可能な扉が付いている香炉が扉付き香炉です。
雨や風を防げる構造となっており、悪天候でも使用できます。
また、香皿や灰の飛び散りを防げます。
お墓の香炉の種類8.引き出し式香炉
引き出しが付いている香炉が引き出し式香炉です。
引き出し式香炉を使用するときは、引き出しを手前に引きます。
使用しないときは、引き出しに香皿や灰をしまっておける点が便利です。
お墓の香炉の種類9.花立・水鉢一体型香炉
花立・水鉢一体型香炉は名称のとおり、花立と水鉢が一体となっている香炉です。
花立と水鉢を別々に用意する必要はなく、狭いスペースでも設置できます。
ただ、香炉部分と線香部分の温度差が大きいため、劣化しやすい点に注意が必要です。
お墓の香炉の選び方3選
お墓の香炉は種類が多く、さまざまな特徴があります。
そのため「選び方が分からず購入できない」と悩んでしまう方もいるでしょう。
そこで、お墓の香炉を選ぶ際は、下記の3つのポイントをチェックしてみましょう。
・サイズ
・デザイン
・色
お墓の香炉の選び方1.サイズ
お墓の香炉の大きさはさまざまです。
もし希望する香炉が見つかったとしても、実際に置けなければ使用できません。
特に扉付き香炉や引き出し式香炉は、奥行きを必要とします。
まずは香炉を置く場所を計測しておき、お墓に合うサイズのものを選びましょう。
お墓の香炉の選び方2.デザイン
お墓の種類によって、墓石に合う香炉は異なります。
たとえば和型墓石には立置型香炉、洋型墓石には横型香炉が合います。
また、浄土真宗は横型香炉を使用します。
事前に宗派を確認してから、好みのデザインを選ぶとよいでしょう。
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お墓の香炉の選び方3.色
お墓全体のバランスを考えて、墓石の色に近い香炉を選びましょう。
お墓の香炉だけが目立たないように、調和のとれた色の選択がおすすめです。
お墓の香炉のお手入れ手順
お墓の香炉は定期的なお手入れが必要です。
手入れをしなければ汚れが落ちにくくなり、線香をあげづらくなってしまいます。
ここでは、よく使われている横型香炉のお手入れ手順について解説していきます。
1.香皿にたまった灰を捨てる
2.ほうきで掃く
3.雑巾で汚れをふき取る
お墓の香炉のお手入れ手順1.香皿にたまった灰を捨てる
横型香炉では、香皿を利用するケースが一般的です。
ステンレス製や陶器製のものが多く、線香に火を点けて香皿の上に置くと、灰がたまっていく仕組みです。
香皿にたまった灰は、燃やせるゴミに出しましょう。
お墓の香炉のお手入れ手順2.ほうきで掃く
お墓の香炉内をほうきで掃きます。
これである程度きれいになります。
お墓の香炉のお手入れ手順3.雑巾で汚れをふき取る
最後に雑巾で細かな汚れをふき取ります。
ひび割れや欠けている部分がないかも確認しておきましょう。
汚れが付着している部分が多ければ、水洗いがおすすめです。
水洗いをしたあとは乾拭きをして、しっかりと水分をふき取りましょう。
まとめ
お墓の香炉とは、線香をお供えする場所のことです。
お墓に香炉を設置することで、線香の火が消えにくくなる効果が期待できます。
お墓の香炉の種類は多く、立置型香炉や横型香炉などがあります。
お墓の香炉を選ぶ際は、あらかじめサイズやデザインなどをチェックしておきましょう。
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