お墓を継承すると、さまざまな問題に直面します。
お墓の後継者が見つからなかったり、お墓から遠くに離れてしまったりと、お墓をこれからどうするのか悩んでしまうこともあるでしょう。
そこで選択肢のひとつに墓じまいがあります。
墓じまいをすれば後継者を探す必要がなく、改葬先を家の近くにすればお墓参りに行きやすくなるのがメリットです。
しかし、墓じまいはいくらくらい費用がかかるのか、知らない方も多いのではないでしょうか。
この記事では墓じまいの費用について解説します。
・墓じまいの費用はどれくらいかかるのか知りたい
・墓じまいの費用が高い場合はどうすればいいのかわからない
などの疑問や悩みを解決する情報をまとめましたので、参考にしてください。
墓じまいの費用は3種類
墓じまいにかかる費用は大きく分けて
・墓石の撤去にかかる費用
・行政手続きにかかる費用
・改葬先の費用
の3種類あります。
それぞれ見ていきましょう。
墓石の撤去にかかる費用
墓じまいは今建っているお墓を解体したのち、更地にします。
土地は霊園や寺院墓地の管理者に使用権を返却して完了です。
そのため、墓石の撤去に関する費用がかかります。
墓石撤去の内訳は
・墓石撤去費用
・閉眼供養のお布施代
・離檀料
の3種類です。
墓石撤去費用
相場としては1㎡あたりおよそ10万円程度です。
ただし、
・お墓の建っている場所に重機が入りにくい
・特殊な構造、形状のお墓
・その他、作業人数が必要
などの場合は、費用が高くなる可能性があります。
閉眼供養のお布施代
相場としては3万円～10万円ほどです。
墓石には魂が込められていると信じられています。
そのため、遺骨をお墓から取り出す前には、閉眼供養を行い魂抜きをするのが一般的です。
お布施はあくまでも感謝の気持ちを包むため、金額が決められているわけではありません。
離檀料
3万円～20万円ほどと言われています。
寺院墓地の檀家になっていた場合、これまでお世話になった感謝の気持ちを包むのが離檀料です。
こちらもお布施という形でお金を包むため、特に金額は決まっておりません。
しかし、一部では高額離檀料を請求される場合があり、トラブルになる事例もあります。
行政手続きにかかる費用
『改葬許可証』の発行につき、500円から千円ほどかかる場合があります。
しかし、地域や自治体によっては無料の場合もあるので、確認してください。
墓じまいには
・改葬許可申請書
・埋葬証明書
・受入許可証
の3種類の書類が必要です。
この書類を用意した上で、遺骨をおさめる先のお墓が所在する市町村に申請すると、『改葬許可証』が発行されます。
改葬先の費用
墓じまいをしたあと、取り出した遺骨はどこかにおさめなくてはなりません。
新しくお墓を建てたり、永代供養にしたりと、それぞれ費用が異なります。
遺骨の供養方法は
・新しいお墓を建てる
・永代供養
・手元供養
・散骨
などがあります。
この中で、最も高額なのは新しくお墓を建てる場合です。
100万円をこえるケースは決して珍しくありません。
さらに開眼費用で3万円から5万円ほど包みます。
永代供養の合祀墓なら、5万円から供養可能です。
遺骨は必ずしもお墓に納骨する必要はありません。
手元供養や散骨も選択肢として考えられるので、家族や親族で話し合って決めましょう。
お墓にかかる費用についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
お墓には4つの費用がかかる!お墓にかかる費用の内訳を紹介します
墓じまいの費用が高いときの対処法4選
墓じまいはさまざまな費用がかかります。
見積もりを見て「こんなにかかるとは思わなかった」という方も多いのではないでしょうか。
それでも墓じまいを行いたいとき、検討してもらいたい対処法を4つ厳選しました。
その対処法とは
①相見積もりをとる
②家族や親戚に相談する
③合祀墓を選択する
④ローンを利用する
などがあります。
①相見積もりをとる
一社だけの見積もりでは、提示された金額が高いのか安いのかがわかりません。
複数の業者に相見積もりをとることで、費用の比較ができます。
②家族や親戚に相談する
お墓の悩みを一人で抱え込む必要はありません。
家族や親戚に相談し、援助してもらえないか聞いてください。
兄弟がいる場合は費用の負担を依頼し、一家全体でお金を出し合うのもよいでしょう。
③合祀墓を選択する
改葬先の費用が高いと感じる場合、合祀墓を納骨先として選択してもよいでしょう。
合祀墓は5万円から供養できるため、費用を安くおさえられます。
ただし、遺骨をほかの方と一緒におさめるので、あとから取り出すことができません。
費用面だけを考えずに、その他の供養方法と比較した上で決めてください。
④ローンを利用する
お墓を建てるとなると、ある程度まとまった資金が必要です。
そこで、お墓を購入する手段のひとつとして、ローンを組む選択肢があります。
お墓を建てるときに利用するのはメモリアルローンが一般的ですが、墓じまいの費用にも審査が通る可能性があります。
詳しくは取り扱いのある銀行や信用組合などにお問い合わせください。
お墓のローンについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
お墓はローン払いできる!ローン払いの種類やメリット・デメリットを解説します
まとめ
墓じまいの費用は
・墓石撤去費用：1㎡あたりおよそ10万円
・閉眼供養のお布施代：3万円～10万円
・離檀料：3万円～20万円
・行政手続きにかかる費用：無料～千円
・改葬先の費用：数万円から200万円
などがかかります。
最も費用がかかるのは、新しくお墓を建てて遺骨をおさめる場合です。
合祀墓を選択すれば5万円～の費用になり、安くおさえられます。
もし、「墓じまいの費用が高額で、支払いをどうすればよいのかわからない」と迷われた場合は
・相見積もりをとる
・家族や親戚に相談する
・合祀墓を選択する
・ローンを利用する
などを検討してください。
墓じまいの費用はある程度おさえられます。
この記事を参考にしていただき、納得できる方法を模索されてはいかがでしょうか。
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