お墓について調べているとき『カロート』という言葉を聞いたことはありませんか。
カロートはお墓にとって重要な役割を果たしているので、この機会に知っておくことをおすすめします。
この記事では、お墓のカロートの種類や内部の構造、費用相場について解説していきます。
目次
お墓のカロートとは
お墓のカロートとは、お墓にある遺骨をおさめるスペースのことを指します。
カロートの別名は『納骨棺』なので、こちらのほうが想像しやすいでしょう。
カロートは中国から伝来した『唐櫃』(からひつ)が由来とされています。
のちに唐櫃は『屍櫃』(かろうと)となり、現在のカロートとなったとされています
お墓のカロートの種類
お墓のカロートは、下記の2つの種類があります。
・地下カロート
・地上カロート
お墓のカロートが地下にあるのか、それとも地上にあるのかが大きな違いです。
それぞれの特徴について見ていきましょう。
お墓のカロートの種類1.地下カロート
お墓のカロートで一般的なのが地下カロートです。
地面の下にコンクリートを流し込み、納骨スペースを設けます。
納骨スペースの上に拝石や水鉢などを置き、ふたをする仕組みです。
地下カロートは、昔の土葬と同じ感覚で納骨ができます。
また、納骨スペースが外からは見えないようになっており、すっきりとした印象です。
ただ、地下に納骨する構造上、カロート内の湿度が高くなる傾向があります。
地下カロートにて納骨する際は、結露に注意しましょう。
お墓のカロートの種類2.地上カロート
地上カロートは『丘カロート』とも呼ばれており、地面の上に納骨するスペースを設けます。
地上に箱型のカロートを設置して、納骨する仕組みです。
箱型のカロートは扉が付いており、納骨がしやすいです。
また、地上に納骨スペースがあることから、結露がしにくい特徴があります。
ただ、地上カロートは高さが生じます。
お墓全体が高くなるので、威圧感を覚える方がいるかもしれません。
お墓のカロート内部の構造
お墓のカロート内部の構造は、関東と関西で違いがあります。
どのような違いがあるのか、地域別に解説していきます。
・関東地方
・関西地方
お墓のカロート内部の構造1.関東地方
関東地方のカロートは地下カロートが主流です。
多くの遺骨をおさめられるように、棚が設けられているカロートもあります。
棚は1段から3段といくつかの種類があり、納骨する人数によってカロートの構造が異なります。
関東地方の骨壺は7寸が一般的です。
関東地方で火葬をおこなうときは、亡くなった方の遺骨を足元から骨壺におさめていきます。
遺骨はできるだけ骨壺におさめるといった考え方が主流なので、必然的に骨壺のサイズも大きくなります。
のちほど解説しますが、関西地方の骨壺のサイズは6寸が多いです。
また、3寸から5寸程度の骨壺を使用するケースもあります。
関東地方の骨壺のサイズは関西地方よりも大きい傾向があることから、カロートも大きくなるケースが多くあります。
お墓のカロート内部の構造2.関西地方
先述しましたが、関西地方の骨壺のサイズは3寸から6寸程度と幅があります。
そのため、関東地方のカロートよりも小さい傾向があります。
サイズを比較すると、関西地方のカロートは関東地方よりも3分の1程度小さいです。
また、関西地方の地下カロートの棚は1段が多く、納骨できる数が少ないです。
カロートの中に入って作業をする必要はありません。
骨壺のサイズについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
お墓のカロートの費用相場
カロートの費用相場はこちらです。
カロートの種類 | 費用相場 |
---|---|
地下カロート | 100,000円~500,000円 |
地上カロート | 100,000円~200,000円 |
地上カロートよりも、地下カロートのほうが費用が高くなる傾向があります。
お墓のカロートがいっぱいになったときの対処法5選
お墓のカロートは納骨人数が決まっています。
納骨人数をこえてしまった場合、遺骨はどうすればよいのでしょうか。
お墓のカロートがいっぱいになったときは、下記の5つの方法を検討するとよいでしょう。
・遺骨をひとつの骨壺にまとめる
・土に還す
・遺骨を粉砕する
・永代供養を利用する
・お墓を改葬する
納骨ができなくなったときに焦らないためにも、これから解説する対処法の内容を把握しておきましょう。
お墓のカロートがいっぱいになったときの対処法1.遺骨をひとつの骨壺にまとめる
先に納骨している方の遺骨を、ひとつの骨壺にまとめる方法です。
納骨している期間が長い方から順番にまとめていきます。
ただ、ひとつの骨壺にまとめた場合、誰の遺骨なのかが分からなくなってしまう可能性があります。
遺骨をひとつの骨壺にまとめる際は、記録を残しておきましょう。
お墓のカロートがいっぱいになったときの対処法2.土に還す
カロートの一部が土であれば、遺骨を骨壺から取り出して土に還す方法も有効です。
もしカロート内に土の部分がなければ、ほかの対処法を検討しましょう。
法要を欠席する際は香典を送ります。
ただ、包む金額や送り方に注意が必要です。
ここからは、法要を欠席する際の香典について解説していきます。
・法要を欠席する際の香典の相場
・法要を欠席する際の香典の送り方
お墓のカロートがいっぱいになったときの対処法3.遺骨を粉砕する
遺骨を粉砕すれば体積が減るため、スペースが生じます。
結果的に、より多くの遺骨を骨壺におさめられるのです。
ただ、遺骨を粉砕することに躊躇してしまう方はいるでしょう。
もしご自身での粉骨がむずかしいのであれば、専門業者に依頼することをおすすめします。
専門業者に粉骨を依頼することで、精神的・肉体的負担が減ります。
また、パウダー状になるまで細かく粉砕するので、スペースの確保にも効果的です。
なお、遺骨を粉砕することに違法性はありません。
手元供養や散骨をする際に粉骨をおこなうため、心配は不要です。
関連記事はこちらです。
お墓のカロートがいっぱいになったときの対処法4.永代供養を利用する
『永代供養』とは、遺骨の管理や供養をお墓の管理者に依頼する供養方法です。
永代供養を利用すると、遺骨は永代供養墓にうつることとなります。
結果として、永代供養となった遺骨のスペース分が確保できます。
永代供養に関する記事はこちらです。
永代供養とは?わかりやすく解説します【メリット・デメリット・費用・種類など】
お墓のカロートがいっぱいになったときの対処法5.お墓を改葬する
『改葬』とは、お墓の引越しのことです。
改葬すれば、よりカロートの大きなお墓を利用できます。
ただ、改葬は手続きが必要なので、すぐにお墓の引越しができるわけではありません。
また、改葬費用も生じるため、慎重な検討が求められます。
改葬については、こちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ
お墓のカロートとは、遺骨をおさめるスペースのことです。
地下カロートと地上カロートがあり、棚が設置されているカロートもあります。
関東地方と関西地方では、カロートの構造に違いがあります。
関東地方では、関西地方よりも大きな骨壺を利用するケースが一般的です。
そのため、関西地方よりも大きなカロートとなる傾向があります。
お墓のカロートは遺骨をおさめる大切なスペースです。
カロートの種類や内部の構造を理解しておき、ご自身が希望したスペースに納骨できるよう、理解を深めておくとよいでしょう。
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