塔婆と卒塔婆の違いとは?立てる意味やタイミング、費用について解説

お墓の後ろに立てられている木製の板が卒塔婆です。
卒塔婆は塔婆とも呼ばれるケースもあるため「違いがあるのか」と、疑問を感じたことはありませんか。

そこでこの記事では、塔婆と卒塔婆の違いについて解説していきます。
また卒塔婆を立てる意味やタイミング、費用なども説明するので、ぜひ参考にしてくださいね。

目次

塔婆と卒塔婆の違いとは

卒塔婆(そとうば)は塔婆(とうば)とも呼ばれます。
塔婆と卒塔婆は呼び方に違いがあるだけで、特徴などは同じです。

なお、正式名称は卒塔婆です。
地域によっては、塔婆やお塔婆と呼ぶ方もいます。

塔婆と卒塔婆の違いを、そこまで気にする必要はないでしょう。

卒塔婆を立てる意味

卒塔婆は故人を追善供養するために立てます。

追善供養といえば、法要をイメージするかもしれません。
追善供養は故人の冥福を祈るためにおこなわれます。

法要のほかには、お墓参りや仏壇への給仕などが追善供養に該当します。

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卒塔婆に書かれている内容

卒塔婆には、下記の内容が書かれています。

・戒名:故人となって授けられた名前
・命日:故人が亡くなった年月日
・宗派の題目:宗派によって異なる
・梵字:『キャ・カ・ラ・バ・ア』という文字と、供養した年月日に縁のある1文字が記載される
・施主名:卒塔婆を立てた方の氏名
・法要を実施した年月日:卒塔婆を立てた年月日

なお、上記の内容は一例です。
卒塔婆によっては、記載される文字や内容が異なるケースがあります。

また、卒塔婆は墨汁で書かれる場合が多くありますが、文字がプリントされたものもあります。

宗派の題目

宗派別の題目はこちらです。

・浄土宗:南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)
・浄土真宗:南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)
・天台宗:南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)
・曹洞宗:南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ)
・臨済宗:南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ)
・真言宗:南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)
・日蓮宗:南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)

卒塔婆を立てるタイミング

卒塔婆を立てるタイミングに、明確な決まりはありません。
ただ、卒塔婆は追善供養のために立てるため、適したタイミングはあります。

卒塔婆を立てる際は、下記のタイミングがおすすめです。

・法要
・祥月命日
・お盆やお彼岸

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卒塔婆の処分方法

卒塔婆は木製なので、立てたタイミングから徐々に劣化がはじまります。
卒塔婆を立てたままにしておくと、風にとばされてしまったり、文字が薄れて見えなくなったりしてしまいます。
古くなった卒塔婆は処分しましょう。

卒塔婆を処分する際は、霊園やお寺に相談します。
お焚き上げによって、卒塔婆を処分する方法が一般的です。

なお、ご自身で卒塔婆を処分しても問題はありません。
各自治体の処分方法を確認して、適切に処分しましょう。

卒塔婆にかかる費用

卒塔婆を立てる際に必要な費用は、1本あたり2千円から1万円が一般的な相場とされています。
なお、3千円から5千円程度を包むケースが多いです。

卒塔婆料は地域やお寺によって異なります。
もし、卒塔婆料をいくらにすればよいのか分からないときは、霊園やお寺に確認しても失礼ではありません。

卒塔婆に必要な費用のことを、卒塔婆料と呼びます。
卒塔婆料は施主が負担するケースが一般的です。

また、卒塔婆料を施主と法要の参列者で負担するケースもあります。
この場合は、卒塔婆料を負担した方の氏名を名簿にまとめておきましょう。

卒塔婆料のマナー

卒塔婆料は僧侶に渡します。
ただ、卒塔婆料に関するマナーが存在するので、事前に確認しておくことをおすすめします。

下記のマナーについて把握しておきましょう。

・白無地の封筒に包む
・卒塔婆料の書き方
・お札の入れ方
・卒塔婆料を渡すタイミング
・卒塔婆料の渡し方

卒塔婆料のマナー1.白無地の封筒に包む

卒塔婆料は白無地の封筒に包みます。
また、卒塔婆料と記載されている市販の封筒を使用しても問題ありません。

卒塔婆料のマナー2.卒塔婆料の書き方

卒塔婆料は白無地の封筒に包みます。
また、卒塔婆料と記載されている市販の封筒を使用しても問題ありません。

卒塔婆料のマナー2.卒塔婆料の書き方
卒塔婆料の封筒には、包む金額や費用を負担した方の氏名を書きます。
ここからは、卒塔婆料の書き方について見ていきましょう。

・表書き
・中袋
・裏書

卒塔婆料の書き方1.表書き

卒塔婆料の表書きは『御塔婆料』です。
封筒の中央上部に書きましょう。

封筒の中央下部には、施主の氏名を書きます。
複数名で卒塔婆料を負担した場合は『〇〇家塔婆建立者』と書きましょう。

卒塔婆料の書き方2.中袋

中袋には、卒塔婆料として包んだ金額を記載します。

金額は旧字体の漢数字を使用します。
数字の頭に『金』末尾には『圓』(えん)をつけましょう。

・1→壱
・2→弐
・3→参
・4→四
・5→伍
・6→六
・7→七
・8→八
・9→九
・10→拾
・100→百
・1,000→阡または仟
・10,000→萬

たとえば1万円を包む場合は、金壱萬圓也と記載します。

卒塔婆料の書き方3.裏書

裏書には施主の氏名と住所を書きます。
住所は都道府県を略さないように注意しましょう。

卒塔婆料のマナー3.お札の入れ方

卒塔婆料はお札の肖像画が上となるように、向きを調整して入れます。

お札は新札と古札のどちらでもよいです。
ただし、しわが多いお札は避けるようにしましょう。

卒塔婆料のマナー4.卒塔婆料を渡すタイミング

卒塔婆料を渡すタイミングは、法要がはじまる前が適しています。

法要がはじまる前に、僧侶にあいさつをします。
あいさつのタイミングで、お布施とともに卒塔婆料を渡しましょう。

もし法要がはじまる前に渡せないようであれば、僧侶が帰宅するタイミングがよいでしょう。

お布施に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。

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卒塔婆料のマナー5.卒塔婆料の渡し方

卒塔婆料を手渡しすることはマナー違反となります。

切手盆に乗せるか、袱紗(ふくさ)に卒塔婆料をのせて渡しましょう。
また、一言感謝の気持ちを伝えて渡すと、より丁寧な印象となります。

まとめ

塔婆と卒塔婆の違いは呼び方です。
地域によって、卒塔婆を塔婆と呼ぶケースがあります。
正式名称は卒塔婆です。

卒塔婆を立てる意味は、追善供養のためです。
故人の冥福を祈るために卒塔婆を立てます。

卒塔婆は、法要や祥月命日などのタイミングに合わせて立てるケースが一般的です。
ただ、卒塔婆を立てるタイミングに決まりはありません。

卒塔婆を立てる際は卒塔婆料が必要です。
卒塔婆料には書き方やお札の包み方など、いくつかのマナーがあるので事前に確認しておくとよいでしょう。

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