永代供養と墓じまいの違いとは?手順やメリット、デメリットを解説

永代供養と墓じまいは混合されやすいため、誤って解釈されるケースがあります。
それぞれの言葉の意味を正しく理解するためにも、どのような違いがあるのかを知っておくことが重要です。

そこで、この記事では永代供養と墓じまいの違いを解説していきます。
また墓じまい後に永代供養をする手順やメリット、デメリットについても紹介していくので、ぜひ最後まで目を通してみてくださいね。

目次

永代供養と墓じまいの違い

永代供養と墓じまいは混合されやすい言葉です。
ここからは、永代供養と墓じまいの基礎知識について見ていきましょう。

・永代供養とは
・墓じまいとは

永代供養とは

『永代供養』とは、霊園やお寺の管理者が遺骨の管理や供養をおこなうことです。

承継者がいないお墓は荒れ果ててしまい、最終的には無縁仏となります。
近年では少子高齢化による承継者の不在や経済状況の変化などにより、お墓を承継できないケースが増えています。

永代供養では承継者がいなくても問題ありません。
また、管理者に遺骨の管理や供養をお任せすることで、お墓参りができない方も安心できるのです。

永代供養の注意点としては『永代』を『永遠』だと認識しないことです。
永代供養では一定期間が経過したのち、合祀されてほかの方とともに供養されます。
もちろん、合祀されても供養は継続しておこなわれるため問題はありません。

永代供養についてはこちらの記事も参考にしてください。

永代供養とは?わかりやすく解説します【メリット・デメリット・費用・種類など】

永代供養の期間はいつまで?適しているタイミングや安置期間後の対応について解説

墓じまいとは

『墓じまい』とはお墓から遺骨を取り出して墓石を撤去し、土地を更地にしてから使用権を管理者に返還することです。
墓じまいも永代供養を選ぶ理由と同じように、承継者がいない方やお墓の管理の負担を家族や遺族にかけさせたくない方などが選択する傾向があります。

墓じまい後は永代供養墓や手元供養、散骨などを選択して供養する方が多いです。

 

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墓じまい後に永代供養をする7つの手順

墓じまい後は取り出した遺骨を何らかの方法で供養します。
手元供養や散骨などを選ぶケースもありますが、永代供養を選択する方も多いです。

ここからは、墓じまい後に永代供養をする7つの手順について解説していきます。

1.家族や親族と墓じまいの相談する
2.墓地管理者に墓じまいの相談する
3.永代供養墓を選択する
4.墓じまいに必要な行政手続きをおこなう
5.閉眼供養のあと、遺骨を取り出す
6.墓石を撤去する
7.取り出した遺骨を永代供養墓におさめる

墓じまい後に永代供養をする手順1.家族や親族と墓じまいの相談する

はじめにお墓に関わる家族や親族に墓じまいの相談をします。
墓じまいについてよく分かっていない方には、分かりやすく説明しましょう。

墓じまいに反対された場合は、無理に話を進めないように注意してください。
時間をかけて説明していけば、墓じまいに納得してもらえるようになるでしょう。

墓じまい後に永代供養をする手順2.墓地管理者に墓じまいの相談する

家族や親族に墓じまいの同意が得られたら、次は墓地管理者に相談をします。

すぐに「墓じまいをしたい」と伝えないようにしましょう。
墓地管理者としては墓じまいをされると、運営資金の減少につながります。
できれば墓じまいをされたくはありません。

角が立たないように、慎重に話を進めていきましょう。

墓じまい後に永代供養をする手順3.永代供養墓を選択する

現在のお墓にある遺骨をおさめる永代供養墓を選択します。
永代供養墓の種類は大きく分けると、下記の6つがあります。

・個別安置墓
・集合安置墓
・合祀墓
・永代供養付きの一般墓
・樹木葬
・納骨堂

永代供養墓を探す方法はインターネットが便利です。
たとえば「永代供養墓 福岡」「樹木葬 福岡」などと検索すれば、条件に合った永代供養墓が見つかるでしょう。

それぞれのお墓の特徴はこちらを参考にしてください。

合祀墓とは?特徴やメリット・デメリットを紹介します

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墓じまい後に永代供養をする手順4.墓じまいに必要な行政手続きをおこなう

墓じまいには下記の3つの書類をそろえる必要があります。

・改葬許可申請書:現在のお墓がある市町村に提出する
・埋葬証明書:現在のお墓の管理者が発行する
・受入許可証:新しい供養先が発行する

上記の3種類の書類をそろえてから、現在のお墓がある市町村に申請すると『改葬許可証』が発行されます。
これで墓じまいに必要な行政手続きは完了です。

墓じまい後に永代供養をする手順5.閉眼供養のあと、遺骨を取り出す

遺骨を取り出す前に閉眼供養をおこないます。
閉眼供養をおこなったのち、遺骨を取り出します。

閉眼供養を依頼した僧侶にはお布施を渡しましょう。
閉眼供養のお布施の相場は1万円~5万円です。

また、遠方から僧侶自身に来てもらう場合は御車代も用意しておきましょう。
御車代は5千円~1万円程度が相場です。

お布施に関してはこちらの記事も参考にしてください。

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墓じまい後に永代供養をする手順6.墓石を撤去する

墓石を撤去したのち、更地に戻します。
墓地の使用権は管理者に返還します。

墓石を撤去するのは石材店です。
霊園やお寺によっては指定の石材店があるので、事前に確認しておきましょう。

石材店に関してはこちらの記事も参考にしてください。

墓石に使われる石材店・石材屋をお探しの方必見!石材の種類や価格について解説します

墓じまい後に永代供養をする手順7.取り出した遺骨を永代供養墓におさめる

取り出した遺骨を永代供養墓におさめて完了です。

墓じまい後に永代供養を選ぶ3つのメリット

墓じまい後には永代供養のほかに、手元供養や散骨なども選択できます。
では、墓じまい後に永代供養を選ぶメリットには何があるのでしょうか。
下記にメリットを3つあげました。

・お墓の管理や供養をお任せできる
・お墓の承継者がいなくても問題ない
・費用が安くなる可能性がある

メリットの内容について順番に解説していきます。

墓じまい後に永代供養を選ぶメリット1.お墓の管理や供養をお任せできる

年齢を重ねるにつれ、お墓の維持管理を負担に感じる方は増えていきます。

たとえばお墓参りをする際はお墓掃除をします。
定期的にお墓掃除ができればよいのですが、遠方に住んでいる場合はなかなかお墓参りに行けないでしょう。
その結果、雑草が伸び切ってしまいお墓掃除が大変なものとなるのです。

永代供養ではお墓の管理をお任せできます。
また定期的な読経や法要もおこなってくれるため、心配はありません。

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墓じまい後に永代供養を選ぶメリット2.お墓の承継者がいなくても問題ない

お墓の承継者になると、お墓の管理や年忌法要の手配などをおこなう必要があります。
お墓を維持していくのは大変なので、承継者になりたくないと考えている方がいます。
さらに子どもがいない世帯も増えており、承継者が見つからないと悩む家族も珍しくありません。

永代供養では承継者は不要です。
永代供養は現代の日本にマッチした供養方法だといえるでしょう。

お墓の承継に関してはこちらの記事も参考にしてください。

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墓じまい後に永代供養を選ぶメリット3.費用が安くなる可能性がある

お墓を維持していると年間管理費やお供えなどの費用がかかります。
永代供養でははじめに永代供養料の支払いがあります。
しかし、その後は追加費用がほとんど発生しません。

長期的に見れば、永代供養を選択することで費用が安くなる可能性があるのです。

永代供養墓を選ぶデメリット

永代供養墓では一定期間が経過すると、遺骨を合祀墓に移動して供養します。
合祀墓はほかの方と遺骨が混ぜられてしまうため、遺骨の返却は不可能です。

先々のことを考えて、永代供養墓にするのかどうかを選択しましょう。

墓じまい後に永代供養をおすすめする人の特徴

墓じまい後に永代供養をおすすめする人の特徴はこちらです。

・お墓を継いでくれる承継者がいない
・お墓にかかる費用をおさえたい
・お墓の負担を家族や親族に負わせたくない

上記の特徴に一つでも該当した場合は、墓じまい後の永代供養を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

永代供養は霊園やお寺の管理者が永代に渡って、遺骨の管理や供養をおこないます。
一方の墓じまいはお墓から遺骨を取り出して墓石を撤去し、更地にしたうえで使用権を管理者に返還することです。
それぞれの特徴を理解することで、永代供養と墓じまいの違いが分かるようになります。

墓じまい後に永代供養を選ぶメリットには、お墓の管理や供養を任せられる点や、お墓の承継者がいなくても問題ない点があげられます。
ただし、一定期間後は合祀される点に注意しましょう。

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